2013年初版 つくしあきひと
竹書房バンブーコミックス 1巻(以下続刊)
孤島に発見された、深さのしれない巨大な竪穴の最深部を目指す子どもたちを描いた冒険ファンタジー。
どうやら架空の世界を舞台としたお話、という設定のようです。
竪穴にとりつかれた人たちを描写することで物語は進んでいくんですが、なんとなくふわふわしてるなあ、というのが最初の感想。
絵本っぽい、というか童話風というか。
それなりのもっともらしさでストーリーは構築されてるんですが、なんだろ、絵柄のせいもあるのかもしれませんが、さっぱり現実味が感じられないというか。
やたら頭の大きい四頭身ぐらいのキャラクターがぱたぱた動いてるのがですね、なんだかプロットにそぐわないような気がして。
これを「かわいい」という人たちが一定数存在するであろうことは理解できるんですけど、どこかショタっぽい屈折を私は感じたりもする。
それが駄目だってことじゃないんですけどね、作画が記号であるとするなら、あんまり優秀な記号じゃないように思うんですよね。
ファンタジーにおける眉唾を軽減させないばかりか、特定の層にしかアピールできない囲いのようなものをせっせと架設してる気がする。
アニメにもなったヒット作ですんでね、そんなことを言ってるのは多分私ぐらいなんでしょうけど、1巻を読了した時点で馴染めない・・と思ったのは確か。
年齢的なものが影響してるのかもしれません。
竪穴がどういうもので、どう世界と関わっているのか、きっちり推敲されてるし、物語の背景も緻密ですんで、違和感を感じない人にとっては期待の一作になるかも、と思うんですが、私は残念ながら1巻で脱落。
ま、なんだか合わない、ってのは往々にしてあるものです、はい。
作品の質を否定するものでは決してありません。