星が原あおまんじゅうの森

星が原あおまんじゅうの森

2008年初出 岩岡ヒサエ
朝日新聞社眠れぬ夜の奇妙な話コミックス 1巻(全5巻)

なんとなくミヨリの森(2003~)と質感の似たファンタジーですが、うじうじした駄目男が主人公ってのがいかにも岩岡ヒサエか。

いや駄目男なのかどうかしらないですが。

ピュア、とか、いくつになっても夢を失わない人、などというべきなんでしょうが、なんだかもうしっかりしろ!といいたくなるのは私が若くないせいですかね。

ま、そりゃいいか。

どこか童話を読んでいるような感触も抱く作品ですが、同時にそこがネックでは、とも感じました。

私がひっかかったのは異形の描き方。

あおまんじゅうの森に足を踏み入れると何らかの力が働き、カエルや鶏がしゃべりだしたりするんですが、これがもう恐ろしく人間臭くて。

自分と世界のかかわり、他者との付き合い方等、まるでひねこびた人間の子供みたいな口の利き方をするんですね。

これは強烈に冷める。

ポジショントークしてくれないんですよ。

まるで不思議の国のアリスみたいな感じで。

こういう形で生き物を擬人化してしまうと、 現実世界そのものの不条理をどうしても無視できなくなる。

しいては世界そのものを再構築する必要にどうしても迫られる。

つまりは、カエルが不作為に道路で車に轢かれてぺちゃんこになってるのを無視できなくなってしまう、というわけ。

並列に並べられないものを無理に同一線上に描こうとすることで、森と現実世界の境界に矛盾が生じてしまうんですよね。

なぜ物語まるごと別世界としてプロットを組み立てなかったんだろう、と疑問。

2巻以降でまた違った展開があるのかもしれませんが、私は1巻でくじけました。

せめて風の一族はもっと超常的な存在として描いて欲しかったですね。

なんか下世話なんですよね。

現代版のグリムなりアンデルセンをやりたかったのかもしれませんが、もうこれ夢オチにするしかないんじゃ・・と思えた時点でついていけなくなりました、残念。

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