名探偵マーニー

2012年初出 木々津克久
秋田書店チャンピオンコミックス 1~2巻(全11巻)

少女探偵マーニーの活躍を描いた学園もの。

本職の探偵である父親以上に鋭い洞察力をもち、目端の利く女子高生である、というのがいかにも少年漫画らしいプロットか。

マーニーが「身なりに無頓着な居眠り大好きキャラ」であることから類推するに、おそらく作者は金田一耕助の女の子版みたいなことをやりたかったんじゃないか?と思うんですが、あんまり成功してるとは言い難い気がしますね。

わざわざ女子高生を主役に据えておきながらセクシャルなセールスポイントがほぼゼロ、って男性読者の過半数を振り落としてるように思いますし。

まあ、木々津克久に萌えみたいなものを期待するほうがどうかしてる、って話ではあるんですが。

ミステリなのかな?と思わせておきながら、オチの大半が心理劇、愛憎錯綜する人間ドラマに着地してるのも微妙。

探偵の仕事なのか?それ?って、どうしても思ってしまう。

揉め事を善意で解決する人、みたいになっちゃってるんですよね。

ドラマ性は各話24ページの割には高い、と思います。

けれど、作者から怪奇と奇想とケレン味を削ぎ落として、わざわざ毒抜きしたミステリもどきにどれほどの価値があるんだ?と私なんかは思ってしまう。

型にはまらないものをなんとか平均値に近づけようとしてる気がしてならないんですよね。

11巻まで続いてるんで、そこそこ人気はあったのかもしれませんが、もうちょっと濃い目の味付けでもよかったのでは、って感じですかね。

普通にやろうと思えばできるんだ、ってことを証明したかったのかもしれません。

それが編集部の意図なのか、出版不況を生き抜いていくための知恵なのかはわかりませんが。

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