ウトヤ島、7月22日

ウトヤ島、7月22日

ノルウェー 2018
監督 エリック・ポッペ
脚本 シヴ・ラジェンドラム・エリアセン、アンナ・バヘ=ウィーグ

2011年にノルウェーのウトヤ島でおこった、無差別乱射テロ事件を映画化した実話ドラマ。

72分間をワンカットで撮影したことが話題になったみたいですが、正直、ワンカット撮影が効果的だったか?というとそうでもないような気がしなくもありません。

途切れぬ緊張感やリアルタイム感を喚起したいがゆえの手法だと私は考えてるんですが、なんだかね、普通に長回しみたいになっちゃってるんですよね。

同じ絵が延々15分ぐらい続くとかザラ。

ワンカットの意味ねえじゃねえかよ、って。

定点撮影が多いのなら、カメラ数台用意してくれた方がよっぽど臨場感を演出できるわ、って。

以前話題になったヴィクトリア(2015)の方が、ワンカット撮影に挑戦した映画としてはよっぽど達者だったように思いますね。

シナリオの出来もあんまりよくない。

楽しいキャンプ生活を送るはずが、一転して悪夢の惨殺劇に遭遇した青年たちの心理をじっくり描けてない。

ただ怯えて逃げ惑ってるだけなんですよ。

誰も何もできないし、なんの対抗策、解決策を練ろうとする人物も登場しない。

挙げ句には、せがまれて歌を歌いだしたり。

どいつもこいつもバカなのか?と。

現実はこんなものだ、と監督は訴えたかったのかもしれませんが、ただ現実らしさにこだわって事実をなぞらえるだけなら映画にする必要はないわけであって。

テレビの再現フィルムで事足りるじゃないか、と。

せめてね、間近に迫った死の恐怖を強烈な落差で描き出すぐらいのことはやってほしかった。

それでこそテロの理不尽さも伝わるというもの。

エンディングの後味の悪さも疑問。

なんのためにあんな結末にしたのか、私にはよくわかりません。

あのエンディングが伝えることって「中途半端な同情や情けは結果として己を滅ぼす」でしかなく、蛮行に対する怒りや憤りとは無縁だと思うんですよね。

凡作でしょうね。

ちゃんと綿密な取材とミーティングを重ねて撮影に挑んだのか?と疑問を覚える仕上がりに脱力するほかありません。

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