OOKAMIRISE オオカミライズ

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2018年初出 伊藤悠
集英社ウルトラジャンプコミックス 1巻(以下続刊)

ロシアと中国に日本が分割統治された未来世界、倭狼と呼ばれる改造人間兵器が生存をかけて国家に立ち向かう戦いの日々を描いたSFアクション。

早い話が超絶な不死性と戦闘能力をもつ狼人間の集団VS軍のお話なわけで、プロットそのものにまるで新鮮味はないんですが、そこは伊藤悠、ありきたりに堕さないための細かな作品世界の作り込みでもって、子供だましな安っぽさはとりあえず回避してる、といっていいでしょう。

というか、おそらく作者は未完に終わった皇国の守護者(2005~)の後始末をやりたかったんじゃないか、という気がします。

皇国の守護者を連載するにあたって学んだことを本作に活かしてるだけなのかもしれませんが。

やっぱりね、今どき狼人間を現実味あふれる存在として再構築するなんて至難の技だと思うんですよ。

それこそ平井和正のウルフガイシリーズ(1971)を筆頭に、最近じゃアンダーワールドシリーズ(映画、2003~)が最新のVFXでもって狼男を骨の髄までしゃぶりつくしてますしね。

新しい切り口が残されてるとは思えない。

なのでまずは外堀であり、作品世界そのものを固めにかかった、というのは正解だと思います。

あとは狼人間たちの集団を歴史に翻弄される駒としてえがくのか、それとも彼ら異形の行末を追っていくのか、その方向性次第でしょうね。

どっちかというとじっくりと時間をかけて物語を立ち上げていく作者が、今回は視覚的な派手さをも加味したエンターティメントを意識してる風で興味深いとは思うんですが、個人的には1巻の終盤でストーリーが過去に戻ったあたりから若干集中力が失せてきました。

なんとなくね、展開が読めてきちゃって。

間違いなく実力派漫画家の質の高い一品だとは思うんですが、続きを読むかどうかは思案中。

どこかウルトラジャンプらしくない作風には好感持てたんですけどね。

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