中国/香港 2017
監督 ジョナサン・リ
脚本 メルヴィン・リー
近頃私がどうにも気になる香港のアクションスター、マックス・チャンの初主演作(のはず)。
ほぼ同時期に同じく主演作のイップマン外伝マスターZ(2018)がメディア化されましたが、時系列を追うならこっちが先みたいですね。
なんだか韓国映画みたいなタイトルですけど、やってることはいつもの香港アクション。
いわゆる刑事もの。
もう、ほんと香港には刑事ものとカンフーものしかねえのか、という。
若干肌合いを違えるのは、どことなくハードボイルドタッチなことでしょうか。
なにか意図するものがあったのか、それとも既出の作品に影響されてのことなのかはわかりませんが、どちらにせよ、いつもの大雑把で行き当たりばったりなストーリーラインが我が物顔で開き直ってますんで大局に影響は及ぼしてないです。
暴れん坊なはみ出し刑事が規則無視で突っ走る、というおなじみ鉄板の様式も健在ですしね。
熱血じゃなくてスレた感じ、というのが若干目新しいかも・・ですが、これは多分マックス・チャンにキャラを寄せたんだと思いますね。
マックスが熱血って、あんまり想像できないですし。
毎度のことながら登場人物の背景とか、性格設定とかきちんと練られてないんでまるで感情移入できないんですけどね、とりあえず派手なアクションに関しては水準をクリアしてるかな、と。
もう、バルクールなんて目じゃないです。
そこはさすがスタント出身。
細身であるがゆえの身軽さはドニーやジャッキーを上回る見栄えなんじゃないか、と思いますね。
格闘シーンは若干少なめ。
犯人役のショーン・ユーが、ムキムキながらも、マックスや相棒役のウー・ユエみたいに武術の訓練を積んだ人じゃないからあんまり手合わせしないし、最後は一騎打ち、ってわけにいかないんですよね。
そこは監督も心得たもので。
なんとか盛り上げるべく最終的には舞台設定に凝ってきた。
すげえ強引で全然脈絡ないんですが、台風直撃の船上において雨風と大波に悩ませられながら格闘するクライマックス、ってなかなか他ではお目にかかれないシークエンスだったと思います。
ハイレベルな組手に頼らない、という意味では欧米寄りの手法だったかもしれませんけどね。
悪くはない、と思いますね。
中身はスカスカですけど、マックス・チャンのポテンシャルを引き出す工夫はあったと思います。
ただ、金髪はあんまり似合ってないと思うがな。
新しく彼のことを知った人に、その名をなんとか記憶してもらう役割は果たしてたんじゃないでしょうか。
ここを踏み台にしてさらなる快進撃を期待したいところですね。