アメリカ 2018
監督 ブラッド・ペイトン
原案 ライアン・イングル
往年の人気アーケードゲームを無理矢理映画化した作品。
しかしまあ、ほんとに制作陣は大胆不敵だと思いますね。
だって元ネタのゲームって80年代の「アクションゲーム」なんですよ。
子供の頃、ファミコンでプレイした記憶がおぼろげながらあるんですが、これね、どうひっくり返したところで映画にできるような代物なんかじゃない。
だって、こんなのですよ?
当然そこにストーリーなんざ存在するはずもなく。
大丈夫か?と。
バイオハザードなんかよりずっと難易度高いぞ、と。
そもそもなんで「ランペイジ」じゃなきゃダメなんだ?と。
普通に怪獣大戦争でいいじゃん!って。
キングコング 髑髏島の巨神(2017)との差別化を図りたかったのかもしれませんが、キャラクターだけ拝借してシナリオは後付けするとか、話題作りを狙うにしてもあんまり賢いやりかたじゃないぞ?と。
困ったらロック様(ドウェイン・ジョンソン)におすがりすればいい、と思ってんじゃねえだろうなあ、と。
もうね、見る前から色んな猜疑やら懸念やらが渦巻きっぱなしの私だったわけでありますが、結論から言っちゃうと、不安はことごとく的中しておりましたね、はい。
巨獣大乱闘のシーンはそれなりにスペクタクルでした。
迫力ありました。
特にロック様が生身のまま単身巨獣に挑むシーンなんて、正気か!とバカ笑いした。
それ以外ですよ問題は。
シナリオ、あってなきがごとし。
ひたすら上滑り続けること、風のごとし。
プロットのお粗末さ、アイディアの貧相さ、ラストシーンのお調子の良さ、総じて「芸の無さ」にもほどがある!と寸時立ちくらみを覚えるがごとし。
開き直りにも等しいレベルで、スター映画でジャンル映画でしたね。
もういっそのことロック様が巨大化して巨獣と戦っちまえばいいんだ、と私なんかは思った。
ウルトラマンみたいにさ。
その方がよっぽどカタルシスを得られる、ってなもの。
そしてエンディング、巨獣をすべて屠った巨大ロック様が寂しげな笑顔をみせて観衆に語りかけるんですな。
「ごめん、逃げてる人、何人か踏んじゃった気がする・・・」
そこですかさず劇伴挿入。
話題のQUEEN、ボヘミアン・ラプソディーあたりでどうでしょうか。
歌詞の内容もぴったりだ。
んで、ラストシーンは米軍に機銃掃射され、血まみれで絶命するロック様で決まりだ。
おお、アメリカン・ニューシネマみたい。
・・・・えーどこかからひどく怒られそうな気もしてきたので、このあたりで終わりにしとうございます、めでたしめでたし(何がだ?)