仏像パンク

2016年初出 横尾公敏
幻冬舎バーズコミックス 1巻(全2巻)

タイトルに心奪われた、ってのはありますね。

なんせ仏像+パンクだし。

いまだかつてここまで畑違いなものをくっつけて敬虔をあざ笑った書名があっただろうか!とあたしゃ軽く震えたほど。

これがインディーズのマイナーなバンドだったら間違いなく音源探して購入するレベル。

まあ、そりゃいんだけど。

で、肝心の内容なんですが、世間の仏教徒に喧嘩うるタイトルな割にはどっちかというと少年漫画です。

なんかよくわからんのですが、野良仏とよばれる巨大な仏像型兵器が出没する戦国時代のお話で、主人公はそれを狩るハンター。

もっともらしさとか、時代劇らしさはほぼ皆無で、仮面の忍者 赤影とか、あのあたりの荒唐無稽さを色濃く再現してる感じ。

悪くいうなら勢いだけ。

また絵が汚くて、この人。

せめてもう少し精緻な作画ができたら、中味がなくとも襲い来る仏像のインパクトだけで読ませることができたか、と思うんですが、それも難しい、ときた。

多分、人気でないんだろうなあ、と思ってたら案の定2巻で完結。

ただ、私はこの発想というかアイディアというか、デタラメを本気でやる豪腕ぶりは好きですね。

なにかが上手にかちゃりと噛み合えばとんでもない作品を生み出しそうな気配だけはあると思います。

次作に期待ですね。

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