ドッグ・イート・ドッグ

アメリカ 2016
監督 ポール・シュレイダー
原作 エドワード・バンカー

ドッグ・イート・ドッグ

服役仲間の3人組が一攫千金を狙って裏の仕事に手を出すが、そううまく事が運ぶはずもなく・・・ってなクライムサスペスンス。

何と言っても既視感の強さ、これ、半端じゃないです。

そりゃ良く言えば「初期のタランティーノのようだ」って修辞になるんでしょうけどね、私に言わせるならこりゃ「もどき」以外の何物でもないですね。

おそらくスタイリッシュでクールな感じに仕上げたかったんでしょうけど、もう、ことごとく空回りしてるというか、小細工がわずらわしいというか。

普通に進めりゃいいものを、あれこれ余計なことして結果的にただテンポを悪くしてるだけ、というね。

シナリオにオリジナリティがない、というのも大きいかとは思うんですが、構成の冗漫さも疑問。

冒頭にあのシーンを持ってくる意図もよくわからなければ、なぜそんな場面に長々と尺を割く?と思うこと数度。

30分ぐらい経過した時点で早送りしたくてたまらん自分がそこには居ましたね。

キャスティングも疑問。

前科者たちの懲りない悪行を描くには、ニコラス・ケイジもウィレム・デフォーも年をとりすぎ。

53歳と62歳ですよ?

孫が居てもおかしくない人たちにチンピラ丸出しでドラッグ漬けな、欲望むき出しの日々を演じられてもね、そりゃ無理がありますよ、どこからどう見ても中高年ですしね。

で、オチがまたなんの裏切りもなく定石で。

いや、ポール・シュレイダーといえば「タクシー・ドライバー」や「レイジング・ブル」の脚本家ですしね、監督としてのテクニックは高くなくともストーリーはしっかりしてるんじゃあ、と私は勝手に思い込んでいたんですが、いざ蓋を開けてみれば見事なまでに箸にも棒にもひっかからん有様で、ほんともうどうしたらいいのやら。

うーん、なんの評価も出来ないですね。

微妙に70年代をひきずってる風なエンディングが「らしさ」か、と思ったりもしますが、それも含めて全部がズレてますね、私の感覚からするなら。

凡作。

見るんじゃなかった。

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