ロックンローラ

イギリス 2008
監督、脚本 ガイ・リッチー

ロックンローラ

スウェプト・アウェイ」「リボルバー」と連発して大コケをかましたガイ・リッチーの原点回帰作。

おなじみロンドンの裏社会をモチーフに、悪党どもの思惑が交錯、成り行きが2転3転するクライム・サスペンスを手慣れた感じでやらかしてます。

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」や「スナッチ」をもう一度、ってことなんでしょうね。

しかしまあ、よく消えずにもう一度メガホンをとることができたもんだなあ、と思います。

なにかしら周辺の人脈の尽力があったのかもしれませんね。

知りませんが。

でもまあ、手厳しいことをいうならこりゃやっぱり自己模倣ですよね。

ガイ・リッチーに求められているものに対して本人が忠実に答えた、って感じ。

そりゃやっぱりそこに新鮮味はありません。

彼ならこれぐらいはやるだろう、と。

細かいカット割りでテンポよく進んでいくコミカルなタッチが監督らしいなあ、と思ったりもするんですが、別にそれはロック、ストックやスナッチでも堪能できることですし。

多分やるべきだったのはもう一度得意な題材で仕切り直すことではなく、おかしな方向にねじくれてしまった彼の指向性を軌道修正することだったと思うんですが、本作、イギリス本国では大ヒットした、ってんだから商業主義的にはきっとこれで間違ってなかったんでしょう。

監督業を続けていくために妥協しなきゃならんこともたくさんあったのだろう、と好意的に解釈してやれなくもない。

内容だけに着目するなら、決して質が低い、ってわけでもないですし。

普通に楽しめます。

ま、タイトルのロックンローラが0年代にしちゃあどこか旧態依然とした印象を与えてて、キャラ的にも曲解の上ディフォルメしすぎじゃあ?と思わなくもないんですが、まあいい。

エンディングにどこか端折ったような駆け足感があったのも許す。

この作品を踏み台として、次になにを見せてくれるのか、次作シャーロック・ホームズに期待したいと思います。

あ、余談ですが、端役でトム・ハーディが隠れゲイを演じてるのが相当笑えます。

エンドロール後のダンスシーンには爆笑させられました。

うーん、人に歴史ありだなあ。

そこが実は一番記憶に残ってたりして。

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