1993年初出 伊藤潤二
朝日ソノラマハロウィン少女コミック館
<収録短編>
超自然転校生
うめく排水管
双一の誕生日
富江・復讐
「超自然転校生」も悪くはないんですが、やはり表題作「うめく排水管」につきるでしょうね。
排水管にストーカーが潜む、ってどこのデタラメなSFなんだよ、って話なんですが、これがちゃんとホラーとして成立してるんだからホント恐れ入る。
潔癖症な一家を素材としたのもうまい。
対比がいやらしさ、おぞましさを増幅。
そんな落とし方をするの?と仰天なオチも見事。
たしかこの短編、映画にもなったはず。
富江シリーズも1編収録。
今回の富江は一時期のクリーチャー化からちょっと落ち着いて正当に化物路線ですが、しみじみと薄気味悪くて良。
タイトルがなんだか昭和っぽくて、何を狙ってるんだ?と思ったりはしましたが。
この頃の作品集はどれに手を出してもハズレなしですね。