ドイツ 2014
監督 バラン・ボー・オダー
脚本 バラン・ボー・オダー、ヤンチェ・フリーセ
ま、プロットそのものがそれほど目新しくもない、ってのはまずある、と思うんです。
現実では冴えないPCオタがハッカーの世界で無法を繰り返し、徐々に名を挙げていくが、調子にのりすぎてとんでもないことに・・・・、って、あれ?どこかで似たような映画なかったっけ?って感触はやはり強い。
そういう意味で、中盤ぐらいまではさほど惹きつけられるものはなし。
詳しい事情はしらんがヒロインにもうちょっとかわいい子を抜擢できなかったのか、って思うぐらい。
俄然、物語が熱を帯びてくるのは十重二重のどんでん返しの待ち受ける終盤。
まあこれ、普通に驚かされはしますね。
なるほどそうきたか、と。
シナリオよく練られてる、とも思う。
ただ、その驚きの結末を効果的に見せるためのテクニックがこの監督にはない。
やっぱりこの手の映画って、もっと落差を演出しなきゃいけないと思うし、実はこうだった、と提示されて観客が「あっ!あれが伏線になってたのか!」と思わず膝を打つ布石が配置されてなきゃいけない、と私は思うんですね。
突然、真相はこれ、ってやられてもですね、それが言ったもの勝ちみたいになってちゃあ、やはり興奮も幾分差し引かれてしまう、ってなもの。
重箱の隅をつつくなら、いつの間にそんな風なことになってたんだ、ってつっこむ隙は結構あるように思うんですよ。
そこはみなさんの脳内で補完を、ってのはやはりミステリじゃアウトだろうと。
前フリがあってこそクライマックスも盛り上がるのだ、ってことを監督はもう少し考えたほうがいい。
課題は、緻密さを伴った構築性への心配り、でしょうね。
とにかくひっくり返してあっといわせたい、ってのが先走りすぎてる作品。
ちょっと落ち着いて、って感じでしょうか。