フンティーとレポンちゃん

2007年初出 いがらしみきお
竹書房 バンブーコミックス

これはいったいなんなんだろう、と軽くあっけにとられた1冊。

本作、4コマ漫画誌に掲載されていたみたいですが、こりゃ4コマの体裁を取り繕う絵本といってもいいのではないか、と思ったりもします。

児童文学風と言ってもいいかもしれない。

しかもなんだかうっすらと毒がある。

一見、健全でかわいらしいマンガに思えるだけに、それがなにやら怖く感じたりも。

私が深読みしてるだけなのかもしれませんが、その怖さがグリム童話の原典のような独特の味を醸しているようにも思えます。

オチも内包するテーマ性もなにもないんですが、不思議と奇妙に印象に残るものがなにかある。

そもそも設定からして妙。

子供が二人で森の中の一軒家で暮らしているんですね。

淡々と他愛ない日常が描写されるんですが、 主人公レポンちゃんはレポンちゃんと総称されているにも関わらず、何故か大中小と3人セットで、その3人がすべて同じ行動をとる。

いやほんとわけがわかんないでしょ?

文章で説明できないです、この変さは。

こればっかりは実際読んでもらうしかない。

こういうことをさらっとやってのけてしまうあたりが「ぼのぼの」をして哲学的といわれる由縁かもしれませんね。

私はなんか引っかかりますね、この漫画。

あどけなさの裏側に何かがうごめいているような気がしてなりません。

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