96時間

フランス/アメリカ/イギリス 2008
監督 ピエール・モレル
脚本 リュック・ベッソン、ロバート・マイク・ケイメン

96時間

ライトノベルじゃねえんだから、という怒号のようなつっこみが聞こえてきそうな設定ではあります。

「パパはヤクザの大親分」とか、「パパは総理大臣」とか、その手の安っぽいドラマと系列を同じくする作品かとは思いますが、これがどうしてどうして意外におもしろい。

秀逸だったのは拉致誘拐による人身売買組織を敵とした点でしょうね。

ぶっ殺そうが拷問しようが、誰も、やめてあげて、とは思わない。

むしろそんな悪逆非道な連中はとことんやってやれ、と思う。

とても感情移入しやすいんですよね。

それ故、親バカ丸出しの狂気じみた主人公の行動力がなんとも爽快に感じられる。

いやこれ、もしもっと複雑な政治的事情が絡んだ誘拐だったらですよ、ブライアンの行動は批判の対象だったのでは、なんて思ったりもするわけです。

とりあえずこんな親父はどこにも居ません。

そう思うことがすでにリュックベッソンの術中にはまってるかのようで実に腹立たしいんですが。

唯一引っかかったのは娘役のマギーグレイスが、パパ、なんとかして助けてあげて、と思えるほどの美人さんでもキュートな少女でもなかったことですかね。

ここ大事だぞ、プロデューサー。

良くない意味で漫画的ではありますが、万人の楽しめる作品だと思います。

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