アメリカ 2015
監督 ジョン・ワッツ
脚本 ジョン・ワッツ、クリストファー・フォード
ドアの鍵が開いたままのパトカーをいたずら心で盗んでみた子供二人の、思わぬ大騒動を描いた転落型サスペンス。
プロットに多少の既視感こそあれ、予想外にスリリングな映画でしたね。
少なくとも、これどうなるんだろう、という期待感を煽るものはあった。
翻弄される悪徳警官のあわてぶりもその焦燥感、人間性が伝わる演出でよく出来てた、と思います。
いちいち説明しないんですね。
見てればちゃんとわかるようになってる。
このジョン・ワッツって監督はなかなかできる、と物語前半にして確信。
ただ、ちょっと気になったのは展開の遅さ、ですかね。
この手のサスペンスって、やっぱりテンポよく、たたみかけるように進行していかないといけない、と思うんですよね。
子供をじっくり描きたかったのかもしれませんが、その心理描写、内面にこだわりすぎて全体がもたついた印象はあった。
気持ちはわかるんですけどね、そこはあえてカットしてでも悪徳警官と子供のギリギリのやりとりにもっと尺を割いたほうが盛りあがったのでは、と思ったりもします。
印象的だったのはラストシーン。
ここでぶった切るのか、というのもありましたし、そう落とすのか、というのもあった。
ちょっと怖いものを感じたりも。
とりあえず子供はこれを見たら「絶対につまらないいたずらはやめよう」と固く心に誓うことは間違いないのでは、と思ったりも。
まあそんな講話めいた戒めを含ませる意図はおそらくないでしょうけど。
大傑作、というわけではないと思いますが、相応に楽しめた一作でした。
ケヴィン・ベーコンは年齢を重ねてこういう役がはまるようになったなあ、としみじみ思ったりもしましたね。