1971年初出 石ノ森章太郎
中公文庫 全3巻
特撮ドラマシリーズより漫画連載が先行してますが、厳密には原作ではなく、東映に作者が設定とキャラクターデザインを提供した経緯から、講談社が漫画化を石ノ森に依頼した、と言うのが正解。
今日に至るまで仮面ライダーの原作は石ノ森章太郎と必ず表記されてますが、あれ、どうなってるんでしょうね?
なにか大人の話し合いでもあったんでしょうか。
で、肝心の内容ですが、ほぼテレビドラマシリーズと同じながら、細部に微妙な違いがあります。
実は本郷武はショッカーの改造手術によって負った顔の傷を隠すためにライダーのマスクをかぶっている、とか、サイクロン号にのって風を受けないと改造人間としての力を発揮できない、とか。
特に前者は石ノ森章太郎らしい設定だなあ、と思ったりもします。
他にも立花藤兵衛はスナックアミーゴのマスターではなく、本郷の生家につかえる執事だったり。
このあたりはバットマンの影響か。
社会問題や、敵改造人間の悲哀を盛り込むなど、漫画ならではの独自路線を楽しめないこともないんですが、やっぱりテレビドラマシリーズにあれこれひっぱられてるなあ、ってな印象はありますね。
とりあえず、藤岡弘のケガによる降板のせいで2号ライダーが登場した経緯まで漫画がまねる必要はなかった、と思うんです。
こっちじゃ1号ライダーは死んでしまったことになってるんですけどね。
悪くはないと思うんですが、別にテレビドラマで事足りる、というのが正直なところでしょうか。
作者はもっとすごいものを他にいっぱい描いてると思います。
ファン向けのシリーズでしょうね。
コメント
[…] 仮面ライダーへの道筋をつけた作品として有名な一作。 […]