ガゴゼ

2006年初出 アントンシク
幻冬社バーズコミックス 全5巻

舞台は室町時代、時の将軍足利義満の命で、陰陽士土御門有盛の手によりその強大な能力を奪われ子供の姿にされた伝説の大鬼ガゴゼの転落と再生を描いた一大妖怪絵巻。

ページを開いて読み進めていく内、初めて読んだとは思えぬ、なんだか妙に懐かしい感触がありました。

日本昔話というか、民話風の題材が70年代っぽい、と言うのもあるんですが、この人の作画、特にその曲線がなんともなまめかしく色っぽいのにあたしゃ惹きつけられた。

ああこりゃ、御大手塚治虫大先生だ、と。

突き詰めればディズニーと言うことなんでしょうけど。

本当に久しぶりにこの手の躍動感のある作画を見た気がします。

懐古的なだけのかもしれませんがが、絵だけでもう充分楽しかったですね。

時代背景を無視することなく、妖怪ものだからと言ってデタラメになりすぎない物語構成も良。

エンディングがいささか甘いか、と思わなくもないんですが、最終巻まで読みたいと思った漫画は本当に久しぶり。

大傑作とまではいきませんが、単純に良い漫画と出会った、と思いましたね。

アントンシク、しばらく追い続けてみたいですね。

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