死の恋人ニーナ

イギリス 2015
監督、脚本 クリス・ブレイン、ベン・ブレイン

死の恋人ニーナ

さしずめジャンル的にはエロチックホラーコメディとでも言うべきなのかもしれませんが、微妙にかゆいところに手が届いていない感触をうける惜しい1本。

アイディアは非常に面白かった、と思うんです。

彼氏とベッドインすると、何故か事故死した彼氏の元恋人が事故直後の血まみれな状態で化けて出てくる、というプロットは先の展開を期待させるオリジナリティと奇抜さがあったように私は思います。

そもそも元カノ自身、自分がなぜそんなシチュエーションで現世に呼び出されてしまうのかまるでわかってないんですね。

化けて出てどうしたい、という要求が初めから欠落してるものだから、おかしな三角関係はいつも肝心な場面で痴話げんかを招くばかり。

主人公ホリーはいかにしてこの奇妙な状況を解決するのか、が当然の見どころかと思うんですが、結果から書いてしまうとですね、監督はそれを解決しないまま途中で放り投げて終わっちゃうんですね。

いうなれば起承転結の転の段階でなぜかエンドロール。

さっぱりわけがわかりません。

そりゃ暗喩するものを汲み取ることは出来なくはないですよ。

でもこれはやっぱり普通に考えて、まとめきれなかったんだろう、って評価しか返ってこないぶった切り方だと私は思うんです。

恋人同士のドラマを描こうと、どこか心理劇みたいな部分に欲をみせてるのも、結果的にわき道にそれただけになってしまったのでは、という気がします。

ホラー的な題材をたくみに挿入しながらも、それがコメディとしてもスリラーとしても恋愛ドラマとしても消化しきれてないんですね。

何を撮りたかったのか、シナリオの焦点が定まってない、というのが結論。

おもしろくなりそうな予感はたっぷりで、映像センスも悪くなかっただけに残念の一言。

次作での挽回を期待、ですね。

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