カリキュレーター

カリキュレーター

ロシア 2014
監督 ドミトリー・グラチェフ
原作 アレクサンドル・グロモフ

遠い未来、惑星XT-59において流刑に処された犯罪者達の300キロに及ぶ決死のサバイバルを描いたSFアドベンチャー。

文章で書くとガチガチのSFみたいですが、実際はそれほどややこしいわけでもなく、別にこれ、未来の地球上でおこった物語としても充分通用するよなあと思える内容なんで、そんなに構える必要はありません。

惑星XT-59では法律で死刑が禁止されてるから到底生き延びられないだろうと思われる荒地に死刑囚を放逐するんですが、一応唯一の希望として「伝説の島」ってのがあって、そこにたどり着けばなんとかなるかも、という建前なんですね。

つまりそれが300キロのサバイバル、とつながるわけです。

あ、普通によくできてる、という驚きは少なからずありました。

なんせロシア映画なんで、こういう非現実を描くにあたって、どうしたって欧米に比べて見劣りする部分はあるだろう、と覚悟してたんですが、それが思いのほかない。

暗い画面作りは異星の雰囲気を上手に演出していると思いましたし、未知の怪物をトレースしたCGも違和感なく迫力があった。

錯綜する人間関係の描写も決して悪くない。

一行を牽引する訳知り顔の男、エルヴィンが抱えている謎とは何なのか、ひっぱり方も堂に入ってる、と思った。

ヒロインのアンナ・チボフスカヤが実に端正なロシア美人なのも華があってよし。

なにより、何が起こるのかわからない、と想像させる余地があるのがSFとして秀逸だと私は思いましたね。

残念だったのは終盤。

さんざん煽っておきながら、急に集中力が途切れたかのように安っぽい終着点が一行を待ってたりするんです。

一昔前の少年漫画かよ、と言いたくなるようなオチには正直閉口。

あともう少し、最後まで緊張感を持続させる努力をしてほしかった。

それさえあればロシアの新星現る、と絶賛することもやぶさかではありませんでした。

ただ、妙に徒労感漂うラストシーンの不穏さ、これってひょっとして現状のロシアそのものを皮肉ってるのでは、と深読みできたりもして妙に興味深かったのは確かです。

こういう感覚を別の形で作品に編みこむことが出来れば将来的には化けるかもしれません。

実力はあると思うので次作に期待、といったところでしょうか。

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