魔法使いの嫁

2014年初出 ヤマザキコレ
マックガーデンブレイドコミックス 1~2巻(以下続巻)

2016年現在で累計250万部を突破した人気コミックなわけですが、これが売れてしまうのか・・・という驚きはありましたね。

現在の漫画読者って、私が思っている以上にニッチにマニア化しているのかもしれません。

簡単に言ってしまうと、人外の魔物と少女の交流を描いた異世界ファンタジーなんですが、 二人を取り囲む世界を実に緻密に構築している、とは思いました。

魔法とはなんなのか、魔術とはいったいどういう現象なのか、それを疑似科学風に大系づけているのには感心。

初期設定に対するこだわりぶりがRPG世代、ハリポタ世代を惹きつけているのかなあ、なんて思ったりも。

それでいてどこか温故知新なのが魅力、といっていいでしょうね。

ただ、大人が本気で楽しもう、と思うと、イギリスが舞台であるにもかかわらず、 現実味を無視してあたりまえのように妖精やらドラゴンやらしゃべる猫が登場してきてですね、なぜそこでわかりやすい異形を持ち出してきてご機嫌伺う?と拍子抜けさせられたりもするんですよね。

主人公の少女、チセを買ったレンフレッドがどういう生き物なのか、そのパーソナリティは人に起因するものであると解釈していいのか、全く不透明なのも私にとっては共感を得にくいものでした。

そこはきっと今後の展開で明らかになっていくんでしょうが、この作品をタイトルどおり「嫁」として、なにがしかの恋愛ものにしたいのであったら、そこは最初にはっきりさせておくべきだったと思うんですよね。

でないとどう感情移入していいものやらさっぱりわからない。

画力は高い、と思いますし、センシティブな表現にも長けていると思うので、実力派であることを認めるにやぶさかではないんですが、ちょっとバランスが悪いように感じました。

おっさんの感性では太刀打ちできない、ってことなのかもしれません。

うーん、続きを読もうという気になれなかったですね。

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