1984~89年初出 森脇真末味
小学館プチフラワーコミックス 全4巻
1 ささやかな疑問符
ささやかな疑問符
レプリカ2
鏡の前のポダルゲー
週に一度のお食事を
ダモイ
2 踊るリッツの夜
踊るリッツの夜
TIME
はがねの輪
3 ゼネツィオの庭
ゼネツィオの庭
ぼくの心はバイオリン
アブラカタブラ
4 空色冷蔵庫
空色冷蔵庫
トライアングル
ぼくの電話 きみの午後
まるまる
意外に1巻がSFしてます。
「鏡の前のポダルゲー」なんて山岸涼子が描きそうな題材。
「週に一度のお食事を」が一番良くできてるなあ、と思ったら原作新井素子だった。
2巻で「男は寡黙なバーテンダー」の金子が登場。
おんなのこ物語の中尾やBLUE MOONの双子とからむ。
両作とも読んでる読者としては、この組み合わせは楽しかったですね。
なんだか新しい連作に発展しそうな気配がある、というか。
3巻はほぼ全部がBLUE MOONの双子の話。
4巻で新キャラ、マクセルが登場して、当分はマクセルの話か、と思いきや2話で終了。
「ぼくの電話きみの午後」は秀逸なサイコサスペンス。
短編集とはいえ、別の作品のキャラをスターシステムとばかり使い回す傾向があるんで、どの作品もスピンオフのような印象があり。
浅い巻は割とコメディ調な描写もあって、そこが個人的には好きだったりするのだけれど、3、4と巻数を重ねるにつれてシリアスなストーリーが多くなってくる。
「空色冷蔵庫」や「トライアングル」みたいな笑いと薄ら寒さが同居してる話が私は好きですね。
森脇真末味という漫画家を知るにはこの短編集を読むのが一番いいかも知れません。
一番脂が乗ってる時期の、美点と多様性がぎっしり詰まったシリーズ。
いや、面白い。