グーグーだって猫である

1996年初出 大島弓子
角川書店 全6巻

2008年に映画化もされ、綿の国星以来と言っていいほど話題になった作品ですが、ああ大島さんも年とっちゃったなあ、ってのが正直な感想。

猫を擬人化して描くというマンガでしか表現し得ない革新的な手法を実践した人が普通に猫を猫として描くってのはどうなんだろう、とまず思うわけです。

言葉は悪いんですが、猫ババアの日々、エッセイ漫画随想録になっちゃってるんですよね。

あれほど繊細で美しかった線が、何だかヨレヨレになっちゃってるのも気にかかる。 

大島さんらしいものの見方は健在ですが、それを物語にする体力はもはや残っていない、と言うことなのかもしれません。

これはこれで楽しめなくはないんですが、往年のファンとしちゃあ正直どこか寂しいですね。

これは長年追っかけてる人なら、きっとわかってもらえることだろうと思います。

彼女の漫画を読めるだけでも幸せ、と思わねばならないのかもしれませんが。

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