ソーシャル・ネットワーク

アメリカ 2010
監督 デヴィッド・フィンチャー
原作 ベン・メズリック

ソーシャル・ネットワーク

フェイスブックの誕生秘話を、創業者マーク・ザッカーバーグに焦点をあて描いた群像劇。

どことなくフィンチャーらしくない題材だなあ、こういうのは他にやれる監督がいくらでもいるのでは、と最初は思ったんですが、見すすめていくうちにどんどん引き込まれていって、挙句にその語り口の巧みさに舌を巻いた次第。

普通にうまくてなんだかもう小憎らしくさえありますね。

照明にこだわった画作りがいつものフィンチャーですんで、途中で人が死ぬんじゃないか、と錯覚してしまいそうになるんですが、もちろんそんなことはありません。

どこまでが真実で、どこからが脚色なのかは定かではありませんが、運営が軌道にのりだすなり、なぜザッカーバーグは訴えられたのか、その真相を赤裸々にぶちまけた内容はとても興味深いものではありました。

なんせ世界最年少の億万長者ですし、そこはゴシップ好きでなくとも充分関心が向く事でしょう。

オタクなプログラマーが全世界で8億人ものユーザーを獲得し、成功したのは、最初になにがあったからなのか?振り返ってみればなんら特別だったわけじゃなかった、と言うのがこの作品のミソかと思います。

恐るべきはネットワーク。

たったひとつのアイディアが冴えない学生を劇的に変えてしまった、と言う意味で実はこれもお得意のスリラーとも言えなくはないか、なんて思ったりしましたね。

ザッカーバーグは変人だったから孤立したわけじゃない、と関係性の中で描いたのも巧妙だったと思う。

知らぬ間にシンパシーを感じられる仕掛けになってるんです。

エンディングもありがちに見えながらわかりやすい着地点で、私は悪くないと思います。

彼が求めていたのは実はとても単純なこと。

男性諸氏は少なからずうなずけるのではないでしょうか。

よくできたドラマだと思います。

監督のファンならずとも普通に楽しめる間口の広さが魅力といえるのではないでしょうか。

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