カムイ外伝

1965年初出 白土三平
小学館ビッグコミックス 全20巻

白土三平の作品の中で一番大好きなシリーズ。

何事か、っていうぐらいおもしろい。

少年サンデーで連載されていた初期の数話は子供向けを意識してか、絵柄も違い、忍者アクションものと言った風情なんですが、後にビッグコミックで連載された4巻以降の連作は屈指の傑作時代劇エンターティメントと言っていい出来ではないでしょうか。

抜け忍、という存在を読者に広く認知させたのも凄かったと思うんですが、誰一人信じられない中で追手とギリギリの駆け引きを繰り返しながら、それでも普通に生きていきたい、と願う主人公カムイのドラマ性も素晴らしかった。 

常に孤独をまとい、疑心暗鬼と戦い続けねばならない術者の悲哀が胸をうちます。

カムイ伝忍者武芸帖を先に読んで何だか白土三平とっつきにくいなあ、と思ってる人は是非ここから読んでもらいたいと思いますね。

エンターティメントに徹する気になりさえすれば、ここまで凄いものが描けてしまうという作者の才能の豊かさに脱帽です。 

私の中では子連れ狼と並んで時代劇漫画の名作。

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