ソマリと森の神様

ソマリと森の神様

2015年初出 暮石ヤコ
徳間書店ZENONコミックス 1巻(以下続刊)

人間が人外の魔物に追われ、絶滅寸前となった世界を舞台に、心を持たぬ森の守り人ゴーレムと人間の女の子の親探しの旅を描いたファンタジー。

どことなく「ハクメイとミコチ」や「アーサーピューティーは夜の魔女」を思い起こさせたりもするんですが、私がうまい、と思ったのは人外の存在と少女の二人連れの、相互理解を深める道行きを物語の主軸にしている点ですね。

少女は何もわからずゴーレムをおとうさん、と呼ぶ。

ゴーレムはそれに答えようと、わからないなりに人間を理解しようと努める。

やばい、これは涙腺が決壊するパターンかもしれない、と私は思わず身構えてしまったりしました。

ま、1巻の段階ではそういう方向へは行ってないんですけどね。

世界の作りこみに気配りがあるのもいい。

ちょっと怪しい部分、欲張りすぎる部分もあるんですけど、最終的に、それぞれの存在がきちんと森羅万象に連なっているように感じさせることができれば問題ないでしょうし。

あとはどこまでシリアスになりきれるか、だと思います。

女性漫画家らしい優しさ、かわいらしさは大きな武器だとは思うんですが、そこをあえて断ち切って世の理みたいなものをね、容赦なく描けたらこの作品は傑作になると思う。

続巻に期待、ですね。

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