ネオ・デビルマン

1999年初版 オムニバス
講談社モーニングKCデラックス 全3巻

デビルマンに影響を受けたと公言する漫画家が一同に結集し、それぞれの解釈でデビルマンをトリビュートしたオムニバス作品集。

参加している漫画家は、

萩原玲二
江川竜也
寺田克也
石川賢
永井豪
ヒロモト森一
岩明均
永野のりこ
高寺彰彦
夢野一子
三山のぼる
とり・みき
風忍
田島昭宇
神埼将臣
安彦良和
黒田硫黄

の、計17名。

なぜ作者本人である永井豪までもが参加しているのかさっぱりわかりませんが、御大の作品ははっきりいって低調です。

あえてチェックするほどではなし。

自分なりのデビルマンをきちんと形にしているのは、やはり石川賢、岩明均、高寺彰彦、三山のぼる、黒田硫黄、といったところでしょうか。

石川賢の描くデビルマンなんて、本物以上に本物じゃないかと思えるほど精緻で、その思いいれの深さを伺える、というもの。

高寺彰彦の彫りの深い絵も完全にデビルマンの世界を自分のものにしている、といった感じ。

三山のぼるの西洋的忌まわしさただよう世界観も本編にはないもの。

で、中でもダントツに傑作なのが黒田硫黄のデビルマン。

まさかデビルマンをこんな形でロードームービー風に再構築してみせるとは思いもよりませんでした。

はからずも涙腺が緩みかけた。

恐ろしい名作だと思います、これ。

怪作、と言う意味では安彦良和のコメディ調デビルマンだったり、もう原作と全然関係のない世界に旅立っちゃってる風忍のデビルマンあたりでしょうかね。

個人的にはここにトニーたけざきを参加させて欲しかった、と思うんですがシリアスなのはもうやらないかな。

まあ、黒田硫黄の短編を読むだけで定価分払う価値はあります。

デビルマンファンなら間違いなく楽しめる短編集でしょう

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