ええじゃない課

1982年初版 山上たつひこ
秋田書店チャンピオンコミックス 全6巻

個性の強い連中の集まった玉鹿市市役所に勤務することになった主人公、須崎君のドタバタな日々を描いたギャグ。

おおむねいつもの山上ノリではあるんですが、中盤ぐらいからそれぞれのキャラの役回りが変わってくるのがこの作品の特徴でしょうか。

序盤は大仏みたいな顔をしたキャラ、課長がバカなことをやらかしてそれを須崎君がつっこむ、という形だったんですが 、それが徐々に須崎君自身が真顔でボケてつっこまれるパターンに変わってくるんですね。

課長は完全にサブキャラに降格。

この作品ぐらいから作者は、見た目がすでに変なキャラにバカなことをさせるのではなく、一見普通の身なりでなんら変にはみえないキャラにボケ役をやらせる方向に変わってきたように思います。

穿った見方かもしれませんが、何気ない日常にひそむ奇妙なおかしさをあぶりだそうとしているかのようにも感じられます。

特に私がこれはすごい、と思ったのが5巻に収録されている「あなたの背中でわかるのよ」の回で、シュールなSF的味付けとギャグが融合した神技的アイディア、筋立てだ、と震えましたね。

がきデカが凄いのはもちろんなんですが、こまわり君を除けば一番好きな作品かもしれません。

個人的にはギャグのキレといい、作話の妙といい、ここが頂点。

おすすめです。

コメント

  1. […] ええじゃない課で作者は、一見普通に見えるキャラにボケさせてギャップゆえの意外性の笑いを追及する方向に興味を示しだしたわけですが、本作、その路線を継ぐ作品と言っていいと思います。 […]

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