この人類域のゼルフィー

2012年初出 塩野干支郎次
少年画報社ヤングキングコミックス 1~2巻(全5巻)

今時珍しいな、って言うぐらい本格的なスペースオペラなんですが、着目すべきは「そこではない」んでしょうか?

こういう作品って角川系にはたくさんあるんですかね。

私がチェックしてる漫画雑誌って偏ってるからなあ。

わかりません。

はるか未来の宇宙を舞台にした、元連合王国の王子と、現有勢力の支配者「人類域の門番」との諍いを描いた作品なんですが、ありがち、とはいえ、そんなに悪くはありません。

ちゃんと世界を作ってるし、SF的ガジェットも多彩。

ただ、作品のノリやキャラがね、どこかアニメ的、というのはありました。

別にアニメ的だろうがかまわないじゃないか、といわれればそれまでなんですが、やっぱり私は古い読み手なんで、漫画は漫画にしかできない表現方法でそのおもしろさを追求して欲しい、というのがどこかにあるんですね。

アニメを見るほうがいまやお手軽なわけですから、漫画がその様式に追随してたんじゃあ、ますますニッチでサブ的なポジションに甘んじるしかなくなるじゃない、と思うわけです。

ですんで、どうしても醒めた目線で読んじゃう、というのはあったんですが、それをひっくり返したのが2巻のラストシーン。

いや、これは予想できなかった。

まさかこうくるとは、と俄然興味がわいてきたわけですが、続巻を読もうと思うのと同時に5巻で完結していることをそのときに知る。

どうかんがえても5巻で終われるスケールじゃないです。

うーん、手を出すべきか出さざるべきか。

こういうのが一番悩ましいんですよね。

またいつか手にとる日もくるかもしれません。

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