ヴァンパイア 最後の聖戦

アメリカ 1998
監督 ジョン・カーペンター
原作 ジョン・スティークリー

ヴァンパイア/最期の聖戦

ど定番ともいえる吸血鬼と吸血鬼を狩るハンターの戦いを描いたアクションホラーなんですが、これが意外にもなかなかおもしろい。

バチカンにやとわれた傭兵とおぼしき集団が銃火器を駆使して隠れた吸血鬼を狩っていく、というプロットが思いのほか新鮮に映ったことは確かです。

超人的なヒーローが吸血鬼と対決するわけでもなく、ヘルシング博士が十字架とニンニク持ってドラキュラ伯爵を追いかけまわすわけでもない。

あくまで生身の人間が敵の弱点をつきながら工夫と経験則で苦労の末退治していくシーンの積み重ねは、妙にリアルさを喚起するものでした。

縄をかけた吸血鬼を体ごとジープで野外に引っぱり出し、炎上死させる、という傭兵部隊の最後の決まり手も見せ場としても優秀だったと思います。

監督ったら、派手に燃やしすぎ!と思わなくもなかったんですが、これがもうなんだかわからないんですけどやたら盛り上がる。

若干シナリオが右往左往しているような印象もあったんですけどね、きちんと、あっ、と言わせるオチも用意されてますし、トータルとして焼き直し、使いまわしに堕さぬ拾い物的エンターティメントだ、と私は思いましたね。

あのビデオドロームやワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカのジェームズ・ウッズがワイルドなハンター役で主演してるのも見どころのひとつ。

ラストシーン、去っていく仲間にかける言葉なんてかっこよすぎて私、しびれましたよ。

カーペンター、面目躍如たる一作ではないでしょうか。

余談ですが好評をうけて制作された続編「ヴァンパイア黒の十字架」はロックスター、ボン・ジョビ主演ながら低調なんでご注意を。

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