チョコレートパニック

チョコレートパニック

1984年初出 藤原カムイ
双葉社アクションコミックス 全3巻

藤原カムイが「ロトの紋章」で有名になる以前に発表していた1話完結形式の連作長編。

とりあえず、現代では間違いなく連載にストップがかかるであろう内容です。

多分企画も通らないと思う。

というのも土人3人組を主人公に据えているから、なんですね。

きわどい表現も結構あって、重箱の隅をつつくのが得意な方々は、これを読んで差別云々批判されるんだろうなあ、と思ったりもします。

ただまあ、やってることは基本ギャグ風味のナンセンスなパロディですんで、それほど目くじら立てるほどの事はないのでは、と言うのが私の正直な感想です。

それよりもむしろ私が気にかかったのは、さて、土人3人組をあえて主人公に据えたことで、この作品はなにか独特のおもしろさを醸すことができたのか、という点でした。

確かにキャラとしてはかわいいんですけど、先進国の人間が抱くわかりやすい土人のイメージを安直になぞっていることが試みの割には凡庸なように私には感じられました。

当時、劇画からの脱却を謳い、大友克洋らと一緒にニューウェーブと呼ばれた作者ですんで、それらしいものを描かねば、という気負いもあったのかもしれません。

今となっては、何故?と言いたくなるアニメ化もされた作品ですが、タイトルだけが幻の再刊行不能作品として一人歩きしているような気もします。

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