サバイバル

サバイバル

1976年初出 さいとうたかを
リイド社文庫 全10巻

何度も形を変え版を重ねた名作として名高いシリーズですが、実は私、あまりぴんときてなかったりします。

突然の巨大地震により文明が崩壊した世界で、1人生き抜く少年サトルの苦難の日々を描いた作品なんですが、なんと言いますか、ケレン味みたいなものが全くないんですね、この物語。

徹底してリアルなのは確かなんです。

もし本当に荒野に投げ出されるような日が訪れたら、この漫画に描いてある事が生き抜くための有力な知識になることは間違いないと思います。

でもそれって「うんちく」なんですよね。

うんちくを漫画で楽しく学べる、と言う意味ではこれ以上の適書はないのかもしれませんが、私がこの手の漫画に求めるのは多少の飛躍があろうとも想像力を刺激してくれる発想の自在さや、現実のひとつ上を行く展開であって。

もちろんそれだけではないんですが、やはりありえたかもしれない仮想の現実を描いた作品であるなら、ドラマにもっと幅を持たせて欲しかった、というのはあった。

崩壊してしまった世界だからこそ描けることはたくさんあった、と思うんです。

でもストーリーは終始主人公の身のまわりのことと、家族のことで硬直。

ある種の指南書、みたいな側面が大きいように私は感じました。

私はあまり心揺さぶられるものはなかったですね。

売れ続けてる、ってことは需要がある、ってことなんでしょうけど。

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