ジョン・ウィック

ジョン・ウィック

アメリカ/カナダ/中国 2014
監督 チャド・スタエルスキ
脚本 デレク・コルスタッド

なんだこれ、っつーぐらい面白くて自分でも訳がわかんないですね。

というのもですね、プロットだけで判断するならそれこそ欠片の新鮮味も斬新さもないんですよね、この作品。

かつて最強の殺し屋と呼ばれた男が、復讐のために単身マフィアにのりこむ、って、どこのジェイソン・ステイサムか、と言う話であって。

いやまあそこは別にスタローンでもリーアム・ニーソンでもいいんですけど。

じゃあ結局スター映画なの?と問われれば、否定できないまでも100%そう、とは言い切れない魅力がどこかあるような気がする。

とりあえず話題になったガンフーはなかなかの迫力でした。

近接戦闘向けのガンアクションという発想は、リベリオン(2002)のガンカタの焼き直しとはいえ、充分に観客を画面に釘付けにする情け容赦ないスリルに満ちていたように思います。

MMAの動きを格闘シーンに取り入れたのもUFC大人気のアメリカにおいて、リアリズムを補完する働きがありましたね。

でもそれ以上にこの作品が優秀だったのは、至極シンプルに「やられたからやりかえす」を、感傷的になりすぎず、ストイックに描ききったことにあったのでは、と私は感じたりしました。

そもそもですね、犬を殺されたから命の危険も顧みずマフィア皆殺し、って、頭おかしい、とかいいようがないわけです。

しかしそれが、おかしい風に見えない。

むしろかっこよかったりする。

ここがミソ。

誤解を恐れずにいうなら、実はこれ「シン・シティ」にも似たグラフィック・ノベルみたいなもの、と解釈するのが一番正しいのでは、と私は思いましたね。

暗黒街の裏社会の描写にしたって、どう考えてもあんな奇態なホテルがあったり、死体専門の掃除屋がいるとは思えませんし、 謎のコインでやりとり、って、コミックか、とつっこみたくなるわけで。

ですが、それもこれも「ジョン・ウィック」というハードボイルドなアメコミだから、と考えると全てに合点がいく。

だからストーリー云々じゃなくて、どうこの世界観を壊さずに最後まで描ききるかにこだわった監督は大正解。

ある意味、危ういバランスの上に成り立ってる作品だ、と思います。

続編を作るなら、均衡を崩さぬこと、がきっと第一義でしょう。

新たなシリーズとして末長く人気を博すことを期待したいですね。

おかしな方向に行かないことだけを祈りたいですね。

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