人生の特等席

2012 アメリカ
監督 ロバート・ロレンツ
脚本 ランディ・ブラウン

人生の特等席

グラントリノ以降、久しぶりのクリントイーストウッド主演作ですが、今回もあたりまえのように並み以上におもしろくて、本当にこの人は一体どうなってるんだ、とつくづく感心します。

監督はこれまでイーストウッド作品に関わり続けてきたロバートロレンツで、イーストウッド本人はメガホンをとってないんですが、それが作品をこれまでと違うものにしている、なんてことはなし。

安定感すら感じさせますね。

老いた大リーグのスカウトマンと一人娘との心の交流を描いた作品なわけですが、よく練られたシナリオの細やかな心理描写が光ります。

古いアメリカの、不器用で頑固な老人がどう現代と向き合っていくのか、という主題はいささか都合よくまとめられすぎな感もありますが、見終わって、ああ良かったね、と素直に言える内容ではあります。

意外性やショッキングな顛末はありませんが、イーストウッドの渋い存在感がすべてをOKにしている、とでもいいましょうか。

なんで85歳のじーさんがこんなにかっこいいんだ!それに尽きます 。

この年齢で衰えぬ創作意欲、しかも作る映画ことごとくはずさない、という驚異のヒットメーカーぶり、何もかもが脱帽です。

あと何作、彼の作品に触れることができるのかわかりませんが、心の中の大事なものの箱の中にしまっておきたい、そんな気にさせられる1本です。

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