破壊魔定光

破壊魔定光

1999年初出 中平正彦
集英社ウルトラジャンプ 1~6巻(全12巻)

突如地球に飛来し始めた「流刑体」と呼ばれる異星人の犯罪者を、捕獲する役目を担うことになってしまった高校生の活躍を描いたアクションSF。

序盤はまあ、ありがちな感じかな、とあなどっていたんです。

主人公がヤンキーもどき、というのもあんまり好きになれなかったし、流刑体の名前が何故か日本語で「撃針」だとか「血刀」とか呼ばれているのも、誰がネーミングしたんだよ、ってな感じで物語に入り込むのを阻害した。

ところがですね、3巻ぐらいからストーリーは怒涛の展開に。

平行宇宙から物理学者の母親が帰ってくるわ、重力素子だわ、TFPだわ、定光の予知が無数の平行宇宙の可能性を刈りとるとか言い出すわ、なんだこの本格SF!と仰天。

謎が謎を呼ぶサイエンティフィカルなギミックの数々は、ファンタジー慣れした弛んだ脳をガンガン刺激する想像力に溢れたものでした。

これはちょっと油断できないぞ、と思ったんです。

高い画力やキャラ作りのうまさも作品の屋台骨を支えるには充分。

しかし、しかし、だ。

ちょっとね、詰め込みすぎなんですね。

物語の進むべき舳先が天候次第であまりに右へ左へと進路を変更しすぎるんですよね。

続巻を読むかどうかは思案中。

実に意欲的で、SFがわかっている人の描く漫画であることだけは確かなんですけどね。

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