あばしり一家

1969年初出 永井豪
秋田書店チャンピオンコミックス 全15巻

キッカイくんをさらに個性豊かな犯罪一家にしたてあげて大暴れさせたのが本作だと思います。

 そこに加味されたのは「バイオレンス」と「SF」。

基本、ギャグタッチなんですが、派手に流血する陰惨な暴力的シーンが同居していて、なんか気が抜けない、というのが作者ならではの独特さでしょうね。

 破天荒にデタラメながら、妙にシリアスでSFな回もあり、特に法印大子の回なんていったいどうなるんだろう、と子供心に実にハラハラさせられました。

ギャップがすごいんですが、その落差こそが病みつきになるというか。

良い意味でゴージャスな香港映画のような作品。

混沌としてるんですが、のちの活躍を予見させるような場面や作劇が多々あり。

持ち味のすべてがふんだんに発揮されている印象を受けました。

統一性、整合性のなさに戸惑う人もいるかも知れませんが、永井豪というのはこういう漫画家なんだよ、とこの一作で全部説明できる気もしますね。

まだ頂点には達していないものの、それ故の奔放さが魅力か。

とりあえずヒロインの菊ちゃんがかっこよくてセクシーで最高。

コメント

  1. […] あばしり一家をもう一度、ってな内容なんですが、これがどうも冴えない。 […]

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