モジャ公

1969年初出 藤子F不二雄
小学館

21エモンの続きが描きたい、というF先生の希望が通って、連載が決まった作品。

人気が伸び悩んだ末の21エモン早期連載終了で描ききれなかったアイディアをなんとか形にしたい、という思いがあったようです。

キャラや設定は変更してありますが、おかしな三人組がポンコツロケットに乗って宇宙を冒険する、というプロットはほぼ同じ。

アレンジを施して再チャレンジ、ということなんでしょうね。

元々私は21エモン、一番好きな児童漫画ですんで、文句なしに楽しめたのは確かです。

特に後半の数話、「自殺集団」や「天国よいとこ」「不死身のダンボコ」あたりはセンスオブワンダーあふるる見事なSFファンタジーだと思います。

適度に皮肉や毒を織り交ぜつつもコメディタッチなのがいかにもF先生で素晴らしいの一言。

ただですね、やっぱり私はこれをモンガーとゴンスケのコンビで読みたかったですね。

ゴンスケの突出したオトボケキャラと比較すると、ドンモじゃどうしても弱い。

21エモン好きゆえに余計にそう思うのかもしれませんが。

まずシチュエーションありき、でアイディア先行の作品ですんで、なぜいきなり宇宙で冒険?という点で説得力が弱い部分はありますが、次話として温められていたシナリオがタイトルは違えど世に出て形になった、という事をまず喜ぶべきだろうと思ったりもします。

ファンなら充分楽しめる1冊。

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