原始少年リュウ

1971年初出 石ノ森章太郎
竹書房文庫 全2巻

リュウという名の青年を主人公に据えたシリーズ3部作の第1作、過去編。

舞台は原始時代のようなんですが、そのあたり、明言は意図的に避けられてます。

物語の根幹に関わってくることであるので、詳しくは書けないんですが、とりあえずこの舞台設定、なんとまあ、挑戦的であることか、と思いましたね。

原始時代を舞台に少年漫画、って。

はじめ人間ギャートルズみたいにするわけにもいくまいに、一体どうやって読者を取り込むつもりなのか、とはらはらしていたら、これが意外にさくさく読めて、おや?ってな感じ。

危なっかしいな、と思える部分も結構あるんですが、読者を誘導する手腕は巧みです。

冒険活劇としてのセオリーはきちんとおさえられている。

終盤のどんでん返しにはさすがに時代を感じさせるものもあるんですが、持ち込まれた史実がスパイスになっていて、相応に据わりの良いオチである、とは言えると思います。

なんとなくまとめきれなかったような気もしないでもないんですが、まあ、悪くはないんじゃないでしょうか。

SF好きとしては好感触な作品ではあります。

作者の果敢な挑戦心を買いたい、と思える一作ですね。

コメント

  1. […] 原始時代を舞台にいったいなにをやらかそうというのか!?原始時代が舞台って、マンガじゃ石ノ森章太郎の原始少年リュウとはじめ人間ギャートルズぐらいしかないぞ、これは相当なチャレンジなのでは、ひょっとすると凄いのでは・・・と興味を惹かれて買ったんですが、残念ながら私が考えていたようなものとは違いました。 […]

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