ぼくの孫悟空

1952年初出 手塚治虫 タイトルから想像できる内容そのまま手塚版西遊記。 大きく改変もなく原典に忠実な設定でストーリーですが、コミカルな演出を多分に意識したようで、随所で度を超えた悪ふざけあり。 三蔵法師一行が日本に渡航して武士とチャンバ...

ロック冒険記

1952年初出 手塚治虫 あとがきによると、カレルチャペックの山椒魚戦争をヒントに描かれた作品とのことですが、オープニングのスペクタクルな展開は山椒魚戦争というより現代ハリウッド映画にも通ずるダイナミックさでド迫力なように私は感じました。 ...

来るべき世界

1951年初出 手塚治虫 HGウエルズの「来るべき世界」とは無関係。 天変地異による地球滅亡の危機を怪生物フウムーンと絡めて描いた終末SF。 本作は後に「フウムーン」のタイトルでリメイク、アニメ化されています。 あっちへふらり、こっちへふら...

ジャングル大帝

1950年初出 手塚治虫 手塚治虫の初期の著作の中でも非常に有名で、テレビアニメにもなり、何度も単行本化された本作ですが、まあ、贔屓目に見て、ある種のおとぎ話であり、子供のためのファンタジーであり、けれん味たっぷりな和製ディズニー、ってな感...

蝋人形の館

アメリカ 2005監督 ジャウマ・コレット=セラ原案 チャールズ・ベルデン 1933年にオリジナルが発表され、後に53年リメイク、それを再度リメイクしたのが本作。 私はオリジナル版もリメイク版も未見なので詳しくはわからないのですが、脚本、大...

漫画大学

1950年初出 手塚治虫 手塚版漫画の描き方。 とはいえ終戦後の「描き版」の時代の話ですし、技術的なこともあまり書かれておらず、すぐに脱線して実践編とでもいうべき短編が始まってしまうので当時でさえあまり参考にならなかったのでは、と言う気がし...

デリカテッセン

フランス 1991監督 ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ脚本 ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ、ジル・アドリアン 核戦争後の未来のフランスを舞台にしたSFなんですが、これ、言われなければわかりません。 私、長い間この作品は架...

導火線 FLASH POINT

香港 2007監督 ウィルソン・イップ脚本 セット・カムイェン、ニコール・タン えー、ストーリーはですね、一体これまでどれぐらい似たような内容の作品を作ってきたんだ、と思わずぼやきたくなるほど黄金のマンネリズムを貫いててですね、「はみだし刑...

ゴーン・ガール

アメリカ 2014監督 デヴィッド・フィンチャー原作 ギリアン・フリン なにこれ、知識人階級のすてきなラブアフェアを描いてるわけ?セリフの意味がよくわからねえ、と思ってたら、どんどんストーリーは下世話にやさぐれていって、最終的に見終わって思...

フランティック

アメリカ 1988監督 ロマン・ポランスキー脚本 ロマン・ポランスキー、ジェラール・ブラッシュ 学会のためパリを訪れたアメリカ人医師が、空港でトランクを間違えた事から妻を誘拐されてしまう、という巻き込まれ型のサスペンス。 言葉の通じない異国...

THAT’Sイズミコ

1983年初出 大野安之スタジオシップ 全6巻 一体このマンガを文章でどう表現したらいいのか、本当に悩みます。 初期はモラトリアムな女子大生二人組のナンセンスなSFコメディだったんですね。 語弊があるかもしれませんが、対象の年齢層をもう少し...

神の獣

1992年初出 巴啓祐講談社モーニングKC リアルタイムで読んでいないので当時の反響とか、評判とかまるで知らないのですが、こりゃマンガでは珍しくド級の怪獣SFだ、と、とても驚かされた1冊。 絵柄は露骨に大友克洋の影響下にあるように思いますが...

メトロポリス

1949年初出 手塚治虫 人造人間の悲劇を描いたSF長編。 フリッツラングのメトロポリス(映画)とは全く無関係です。 掘りさげるなら、テーマは地底国の怪人とかぶってます。 というかこれはもう柳の下に二匹目だ。 当時は結構ヒットした作品らしい...

地底国の怪人

1948年初出 手塚治虫 手塚治虫初期の長編、第三作目。 センターオブジアースってなプロットで、普通に地底冒険もので、まあこんなものか、ってな感じなんですが、最後まで読んで私は仰天しました。 えーこう終わらせるのか!と。 あとがきによると意...

新宝島

1947年初出 手塚治虫 一般に手塚治虫のデビュー作、といわれていますが実は酒井七馬氏との共著。 当時のベストセラーらしいですが、勝手に改変された部分等あり、先生としては納得のいかない内容だとか。 さらに当時のマンガは「描き版」といって版下...

マアチャンの日記帳

1946~72年初出 手塚治虫 手塚先生が各社新聞紙やPR誌、ミニコミ誌に連載した四コママンガ、小編を集めたもの。 私が読んだ中で一番年代の古い作品です。 「フクちゃん」が好きで影響を受けた、とおっしゃってますが、表題作も含め読後の感触は確...

フランシス・ハ

アメリカ 2012監督 ノア・バームバック脚本 ノア・バームバック、グレタ・ガーウィグ なんだかもう自分がこれまで歩んできた人生と色々重なるものがあって、胸が熱くなってしまいました。 描かれているのはまだ何者でもない一人の女性のダンスにかけ...

スガラムルディの魔女

スペイン2013監督 アレックス・デ・ラ・イグレシア脚本 アレックス・デ・ラ・イグレシア、ホルヘ・ゲリカエチェバァリア ファンタジーなのかな?と思ったらコメディで肩をすかされた感じではありましたが、バカバカしさ満開の展開でなかなか楽しめまし...

トム・アット・ザ・ファーム

カナダ/フランス 2013監督 グサヴィエ・ドラン原作 ミシェル・マルク・ブシャール 重苦しい内容ではありますが、人の心の不可解さを丹念に描いた筆致は、さすがはドラン、の一言です。 ある種の心理ホラー、と言ってもいい内容だと思います。 ドラ...

アンノウン

アメリカ/ドイツ 2011監督 ジャウマ・コレット=セラ脚本 オリバーブッチャー、スティーヴンコーンウェル 素直に「あっ」と、言わされた、と言うのはありますね。 異国の地で偶発的な事故にあった後、突然自分自身の存在を、妻にすら全部否定されて...

わたしはロランス

カナダ/フランス 2012監督、脚本 グサヴィエ・ドラン 中盤ぐらいまで見て、あ、さらにエンジンの回転数上げてきた、と率直に思いましたね。 ドランの才能を疑うわけではないですが、前2作は本人が出演していることもあり、どこかプライベートフィル...

悪魔のような女

フランス 1955監督 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー原作 ピエール・ポワロー、トーマス・ナルスジャック サスペンス映画の古典中の古典、ヒッチコックも嫉妬したと噂される名作中の名作ですね。 すでに制作されて60年が経過しているわけですが、断...

GODZILLA ゴジラ

アメリカ 2014監督 ギャレス・エドワーズ脚本 マックス・ボレンスタイン なんせあのモンスターズのギャレス・エドワーズなんで、相当期待するものはあったんですが、やはり日本発の怪獣映画をハリウッドでリメイクする、と言うのはなにかと難しいもの...

モンスターズ/地球外生命体

イギリス 2010監督・脚本 ギャレス・エドワーズ 予想に反して非常におもしろかった、というのが正直な感想です。 低予算で近未来SF、しかも地球外生命体がうじゃうじゃいるメキシコ、などという設定は処女作にしてあまりにも冒険がすぎるのでは、と...