GRYPHON

GRYPHON

私が最初に聴いたのは73年発表の1stアルバムだったんですけど、ぶっちゃけ「なんじゃこりゃ?」と思いましたね。

ドラクエのサントラか、と。

比喩が本当に貧弱かつ幼稚でお恥ずかしいんですが、他にこの音を計る物差しを私は持ち合わせていなくてですね。

ロックどころかポピュラーミュージックですらない、と思いましたね。

あとから色々調べてみたら、古楽を現代的解釈でもって蘇らせようとしてるバンドだと知り、なるほど、と納得。

なんせ王立音楽院出身のプレイヤーが2人居るらしいんで、そりゃもう技術面や音楽理論面はきっと完璧なんでしょうけど、正直私はとんでもないものに手を出しちゃった、と思った。

だってね、目の前に出された料理が、見たこともなければ食ったこともないもので、フォークを使うのか箸を使うのかすらわからない、ときたら、あなた、どうしますか?って話なわけですよ。

とりあえず目をつむって飲み込んじゃったら味わかんないし、うかつに箸でつまもうとして「なにやってるんだ!お前!」と怒られても嫌ですしね。

不可解。

もう、その一言ですよ。

アンプを通したエレクトリックな音が、ほぼ鳴ってない、というのも無理解に拍車をかけた。

じゃあアコースティックなのか?フォークなのか?と問われると、そうだとも言い切れないのがまた困ったところでして。

続けて聴いたのが最高傑作と名高い3rd、Red Queen To Gryphon Three(1974)。

ちょっとは理解できるかな、と思ったんですよ、なんせ長尺の楽曲4曲のみが収録されてるアルバムですし、そういうのってプログレバンドがよくやる常道ですから。

いやーダメだった。

荘厳なキーボードが聞こえてきた瞬間には「おおっ、きたっ!」と思ったんですが、いわゆる古楽的アプローチが古楽器を用いて聴こえてきた途端になんだか冷めてしまう。

これをチープといっちゃあいけないんでしょうけど、その音色じゃないとどうしてもダメか?と思うのと同時に、なんだか笑いの感情が喚起されてきたりするんですよね。

上塗りしちゃいけないものを上塗りして、天日にさらしているような気がして仕方なくて。

ようやく私のわかるところにまで降りてきてくださった、と思ったのが4thのRaindance(1975)。

ああ、これはちゃんとロックだ、と思いましたね。

古楽の占める割合も、かつてより控えめな気がする。

なにより聞きやすくてキャッチー。

ただ、よりロックに近接した音になるとですね、悲しいかな、没個性気味なよくあるブリティッシュロックのようにも感じられてきて。

なんとも兼ね合いが難しいものだ、とつくづく思いますね。

昔のほうが良かった、とは思いませんが、強烈な独自性が霧散してしまったことは確か。

なにかひとつボタンをかけ違えてしまったのでは、と。

おかしな言い方ですけどね、もう少しラジカルに、不良っぽくてもよかった、と思ったりもしますね。

どちらにせよ、私は全然ついていけてないんですけどね。

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