90年代

コンパイラ

1991年初出 麻宮騎亜講談社アフタヌーンKC 全3巻 全裸の女性がいきなり空から降ってきて、地球制服!などと口走るという、いかにも80年代の残滓を引きずったSF。 私の勝手な想像ですが、この作品、最初は笑いをまじえつつもシリアスな侵略SF...

快傑蒸気探偵団

1994年初出 麻宮騎亜集英社コミック文庫 1~4巻(全8巻) スチームパンク+少年探偵の空想科学冒険活劇ってなところ。 物語の世界観が本当に読んで字のごとくスチームパンクそのままで、もう少しひねっても良かったのでは、と少し思ったりも。 さ...

ヨコハマ買い出し紀行

1995年初版 芦奈野ひとし講談社アフタヌーンコミックスKC 全14巻 世界のゆるやかな黄昏を描いた終末SF。 昔読んだときの感想はなんだかぱっとしないなあ、でした。 地味にホームドラマでヤマなしオチなしか、と当時は思ったんですが、今回、一...

金田はじめの事件簿

1999年初出 あさりよしとお白泉社ジェッツコミックス ウルトラジャンプに連載された少年探偵ものならぬ、少女探偵もの。 タイトルから想像がつくかとは思うんですが、往年の探偵小説のパロディであり、ついでにコメディです。 着眼点は悪くないと思い...

ユージーン

1990~94年初出 森脇真末味新潮社 <収録短編>サカナカナフラミンゴカフェコラージュユージーン 森脇真末味が描き続けてきた「屈折した人たちの人間ドラマ」の到達点が本作に収録されている表題作ユージーンだと私は思いますね。 絶望的で救いはな...

ただいま寄生中

1992年初出 あさりよしとお白泉社ジェッツコミックス 91年頃の有害コミック規制騒動に反発して描かれたマンガで、少年誌のエロの限界に作者は挑戦するつもりだったらしいんですが、誰にもそうと気づいてもらえなかった、と後述されてる笑える1冊。 ...

ワッハマン

1991年初出 あさりよしとお講談社パーティコミックス 全11巻 黄金バットの造形をそのままに、不老不死な無敵の超人の主人公とした脱力系SFコメディ。 いかにもあさりよしとおらしいだらだらとした日常に非現実な展開が楽しいです。 ワッハマンが...

UNDER

1991年初出 森脇真末味小学館プチフラワーコミックス 全2巻 極ジャンプ後の地球を描いた近未来SF。 ギミックやガジェットに期待すると肩すかしを食らいますが、マンガで「極ジャンプ」なんて概念を設定とした作品は珍しい、とは思いますね。 時空...

パイド・パイパー

1990~91年初出 山岸 凉子集英社YOUコミックス <収録短編>パイドパイパー蜃気楼負の暗示 サイコサスペンスの秀作といっていいのが表題作「パイドパイパー」 作者らしい鮮やかな手際の一作。 「蜃気楼」は過去さんざんあったパターンの、男と...

1995年初出 山岸 凉子潮出版社希望コミックス 今はなきコミックトムに掲載された作品。 呪われた場所に足を踏み入れた男女7人を襲う怪異を描いた作品なんですが、忌まわしさ、おぞましさはまさに山岸涼子、と思うものの、またこのパターンか、といっ...

グーグーだって猫である

1996年初出 大島弓子角川書店 全6巻 2008年に映画化もされ、綿の国星以来と言っていいほど話題になった作品ですが、ああ大島さんも年とっちゃったなあ、ってのが正直な感想。 猫を擬人化して描くというマンガでしか表現し得ない革新的な手法を実...

ロストハウス

1993~95年初出 大島弓子角川書店ヤングロゼコミックス <収録短編>青い固い渋い8月に生まれる子供ロストハウスクレイジーガーデン1,2 やはり出色の出来なのは「8月に生まれる子供」か。 突如老化していく奇病に冒された主人公の、残酷にも痴...

アタゴオルは猫の森

1999年初出 ますむらひろしメディアファクトリーMFコミックス 1~2巻(全18巻) 作者のライフワーク、アタゴオルシリーズの現時点での最新作。 まるでつい昨日まで連載が続いていたかのような違和感のなさで、そこは素直に感心しますし、ストー...

ゾンビマン

1998年初版 日野日出志角川書店 作者の比較的近年の作品を集めた短編集。 しかしゾンビマンって、B級アメコミみたいだなあ、と思ってたら内容も本当にその通りでどうにもこうにも。 エンディングがやたら文学的で思わず失笑してしまいましたが、どこ...

続・新ワイルド7

1995年初出 望月三起也ぶんか社コミック文庫 新ワイルド7の続巻、と言っていい内容で、「続」がついたからといって設定が変わっていたり、作中の時間が大きくが経過しているわけではありません。 おなじみのキャラも何人か登場。ちなみに新ワイルド7...

ゲッターロボ號

1990年初出 永井豪/石川賢徳間書店キャプテンコミックス全7巻 いわゆる「ゲッターロボ・サーガ」と呼ばれるシリーズの中核を担う作品。 順番としてはゲッターロボ、ゲッターロボGに続く3作目、となります。 このあとに真ゲッターロボ、ゲッターロ...

禍 MAGA

1999年初出 石川賢小学館ビッグコミックス 全2巻 西遊記を下敷きに、孫悟空を異形の怪物に見立てた終末SF。 プロットにさほど目新しさはないんですが、石川賢の精緻な作画が描く孫悟空という名の化け物は、作者ならではの忌まわしき暴力性に満ちて...

ネオ・デビルマン

1999年初版 オムニバス講談社モーニングKCデラックス 全3巻 デビルマンに影響を受けたと公言する漫画家が一同に結集し、それぞれの解釈でデビルマンをトリビュートしたオムニバス作品集。 参加している漫画家は、 萩原玲二江川竜也寺田克也石川賢...

虚無戦記

1999年初版 石川賢双葉社アクションコミックス 全7巻 過去、石川賢が発表してきた作品の中で世界観を同じくするものを集め、ひとつのシリーズとして再構成したもの。 収録されている作品は、 新羅生門次元生物奇ドグラドグラ戦記虚無戦史MIROK...

新羅生門

1994年初版 石川賢リイド社SPコミックス やはり注目すべきは表題作の新羅生門でしょうね。 平安時代の羅生門を舞台に、陰陽師と魔物の戦いを描いたオカルトバイオレンスは当時の陰陽師ブームに触発された風を装いながらも虚無戦記シリーズに連なる「...

スカルキラー邪鬼王

1990年初出 石川賢徳間書店少年キャプテンコミックス 全2巻 さて、石川賢といえば永井豪との共著によるゲッターロボシリーズが有名なわけですが、実は私、肝心のゲッター、どれも斜め読みしかしてないんですよね。 せめてゲッターロボ號ぐらいは完読...

横浜ホメロス

1991年初出 小池一夫/叶精作スタジオシップ 劇画キングシリーズ全4巻 ホメロスと呼ばれる記憶をなくした男の逃避行を描いたバイオレンス。 で、このホメロスなんですが、怪しい研究所みたいなところに隔離されてまして。 どうやら研究所のバックに...

蜃気楼綺譚

1990年初出 松本零士小学館ビッグコミックス またもや四畳半ものか・・と思わせておいて、謎の美女がマスターを務めるバーのお話だったりします。 この謎の美女、ってのがキモでして。 いかにも松本零士。 正体不明の、思わせぶりの、過去になんかあ...

漂流

1993年初版 さいとうたかをリイド社 全4巻 副題にsilent worldとあるので、作者初期の作品、サイレントワールドとなにか関係があるのかもしれません。 本当にさいとうたかをの作品って、ネットをあさっても細かい情報が出てこなくて。 ...