80年代

バイオレンスジャック(漫画ゴラク版)

1983年初出 永井豪日本文芸社ゴラクコミックス 全31巻 どういう経緯で未完のバイオレンスジャックの続編を、漫画ゴラクなどというギャンブルと女にまみれて酒焼けしたような青年漫画誌で連載することになったのか、さっぱりわからないんですが、勝手...

まいるど7

1981年初出 永井豪秋田書店チャンピオンコミックス  全3巻 タイトルは言わずと知れた「ワイルド7」のもじり。 あばしり一家をもう一度、ってな内容なんですが、これがどうも冴えない。 お色気コメディでバイオレンスもあり、ってな従来の作風が8...

まぼろしパンティ

1980年初出 高円寺博/永井豪集英社ジャンプコミックス 全3巻 タイトルは「まぼろし探偵(桑田次郎)」のもじりらしいですが、そもそもまぼろし探偵なんていまどき知ってる人は居ないと思う。 けっこう仮面の姉妹品、と考えて大丈夫でしょう。 毎回...

チンプイ

1985年初出 藤子F不二雄小学館 全2巻 F先生、最後の児童漫画。 ある日突然、他天体であるマール星からルルロフ殿下のお妃様として選ばれた地球人の小学生エリの大騒動を描いたSFギャグなんですが、定番ながら実にかわいらしい作品で、なかなか好...

キャプテンアリス

1989年初出 岩尾奈美恵講談社アフタヌーンKC 全2巻 無鉄砲で無邪気で落ち着きのない海賊船の船長、少女アリスの宇宙を股にかけた冒険をコメディタッチで描いたスペースファンタジー。 はて、不思議の国のアリスの宇宙版がやりたかったのかしら?と...

魍魎戦記MADARA

1987年初出 田島昭宇角川書店 全5巻 メディアミックス企画ありきで、大塚英志を原作に迎え描かれた作品。 なぜか単行本には大塚英志のクレジットがありません。 はて?よくわかりません。 小説、OVA、ラジオドラマ、 ビデオゲーム等、多岐に渡...

悪魔くん世紀末大戦

1987年初出 水木しげる光文社コミックス 悪魔くん千年王国(1970~)の続編。 さて、続編と言うからには、志半ばだった千年王国の樹立を第一義に再び悪魔くんは活動しなければならないはずなんですが、なんといいますか、精神性よりバトルもの、み...

吸血姫美夕

1988年初出 平野俊弘/垣野内成美秋田書店 1~2巻(全10巻) 先にOVAとしての企画があり、その漫画化、と言う形で展開した作品。 当時の女子高生を中心に人気を博した作品で、和的な佇まいの少女吸血鬼というキャラが目新しい、と話題になりま...

無の黒船

1989年初出 松本零士リイド社 全2巻 東大名誉教授竹内均氏を監修に将来の日本のエネルギー問題について、原発をテーマに漫画形式で自説を展開した異色の一作。 創作風ですが、純粋な創作ではありません。 どちらかといえば小林よしのりのゴー宣に近...

V2パンツァー

1987年初出 松本零士少年画報社ヒットコミックス 全2巻 漂流幹線000(1983)の平田先生みたいなキャラを主人公にして、砂漠を縦断する女バイク乗りを描いた未来SF。 アイディアそのものはごく初期の作者のSF系の作品を発展、アレンジした...

漂流幹線000

1983年初出 松本零士少年画報社ヒットコミックス 全4巻 999をもう一度、と言う編集部の意向が如実に伝わってくるタイトルですが、柳の下にやはり2匹のドジョウはいなかったことが証明される結果になってしまった不運な一作。 当時、世間の評価は...

蜃気楼フェリー アイランダー0

1982年初出 松本零士少年画報社ヒットコミックス あまり話題にならなかったんですが、こりゃ隠れた秀作では、と思う次第。 どうも打ちきりっぽいエンディングなんですが、皮肉にもそれ故逆にコンパクトまとまったような印象もあり。 長く連載を続ける...

新竹取物語 1000年女王

1980年初出 松本零士サンケイ出版ワクワクコミックス 全5巻 999に次いでテレビアニメ化されたヒット作ですが、個人的には失敗作とは言えないまでもそれほど優れた作品でもないのでは、ってのが正直なところ。 彗星が地球をかすめる事によって地球...

ザ・ステテコンドル

1980年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス 以前作者の四畳半ものは恐竜荘物語(1976)で最後、みたいなことを書きましたが、くっ、まだあったよ、見落としてた・・・って、いや、うん、別にいんじゃない?誰も気にしてないんじゃね?と、こっ...

ナスカ

1980年初出 松本零士朝日ソノラマサンコミックス これがまたもう、一体なにをどうしたかったのかのレベルでグダグダな内容でして。 例の眼鏡で短足の四畳半なあいつが主人公の、ナスカを舞台としたSFなんですが、地球外生命体について描きたかったの...

グリンゴ

1987年初出 手塚治虫 三作ある遺作のうちのひとつ。 背が低いことにコンプレックスを持つ、典型的な仕事人間の主人公が人事異動で南米へ着任し、日本的常識の通じない異国で悪戦苦闘する様を描いたある種のサラリーマンもの。 家庭よりも仕事ながむし...

ルードウィヒ・B

1987年初出 手塚治虫 三作ある遺作の中のひとつ。 かの有名なベートーベンの生涯を描いた大作。 ベートーベンを憎悪するフランツというキャラが作中に登場し、史実とは異なる関係性の描写があるので、物語には手塚流の改変、演出があるんでしょうが、...

ネオ・ファウスト

1988年初出 手塚治虫 三作ある遺作のうちのひとつ。 第2部の第1回を描き進めたぐらいのところで絶筆。 ああ、いいところで終わってるなあ、とはがゆいかぎりなんですが、作品自体の完成度はちょっと危うい感じも。 ファウストの現代版をやろうとい...

ミッドナイト

1986年初出 手塚治虫 ブラックジャックがあまりにヒットしたがために、その呪縛から逃れることが出来ず、二番煎じ、三番煎じとして連載された作品、といっていいでしょう。 アウトローで一匹狼な無免許タクシードライバーの話なんですが、これがねー、...

ゴブリン公爵

1985年初出 手塚治虫 中国の遺跡から発掘された巨大人型兵器、燈台鬼を巡って、それを平和利用しようとする組織と、悪用しようとする側の攻防を描いたSFアクション。 雛形は魔神ガロンでありブルンガ1世であり、昔から先生が得意としたパターンで、...

ブッキラによろしく

1985年初版 手塚治虫 性格の屈折した天然3流タレント、根沖トロ子を主人公に、何故かトロ子にだけなつく謎の子供の妖怪ブッキラをコミカルに描いたオカルトコメディ。 あんまりぱっとしなかった作品だし、どうもうち切られたっぽいんですが、私は昔か...

アドルフに告ぐ

1985年初出 手塚治虫 アドルフヒットラー、市井のユダヤ人のアドルフ、ナチの幹部のアドルフカウフマン、そこに日本人、峠草平を交えて激動の戦前、戦中、戦後を描いた歴史ドラマ。 タイトルは「3人のアドルフ」でも良かったかも知れないですね。 た...

プライム・ローズ

1982年初出 手塚治虫 ファンタジー仕立ての長編SF。 中世的世界観を下敷きにしたファンタジーって、リボンの騎士以来ではないか、と思ったりもしたんですが、あれはあれでまた別物か。 やたら露出の高い主人公のコスチュームは当時アニメにもなって...

七色いんこ

1981年初出 手塚治虫 ドン・ドラキュラの人気が低迷したこともあり、再びブラックジャックのようなものを、ということでしょう。 演劇の世界を舞台に、代役専門のアンチヒーローを描いた作品ですが、とりあえずキャラ設定に無理がある、と私は思いまし...