0年代

青(オールー)

2002年初出 羽生生純エンターブレインビームコミックス 描けなくなった漫画家と起死回生をもくろむ編集者が何故かヤクザとかかわりあいを持ち、ヒットマンとして殺人を重ね、逃亡生活を余儀なくされるという破天荒なサスペンス。 漫画家と編集者という...

細腕三畳紀

2001年初出 あさりよしとお講談社アフタヌーンKC もちろんタイトルは細腕繁盛記のもじり。 この手の言葉遊びが本当に好きな人である、あさりよしとおって。 何気ない日常に突然三葉虫を放り込んだらどうなるか?をシュミレートしたコメディタッチの...

かむろば村へ

2007年初版 いがらしみきお小学館ビッグコミックス 全4巻 都会暮らしに疲れたサラリーマンの田舎暮らしをコメディタッチで描いた作品なんですが、なにやらきな臭く含むものがあって一筋縄でいかない感じなのが作者らしい、と思いましたね。 都会の人...

ガンジョリ

2007年初版 いがらしみきお小学館ビッグコミックス いがらしみきおモダンホラー傑作選、と銘打たれてますが、ホラーなのは1作目と最後の作品ぐらいで後はどっちかというとやや荒唐無稽なSF。 総じて短編の割にはオチが弱い印象もありますが、表題作...

SINK

2001年初版 いがらしみきお竹書房バンブーコミックス 全2巻 まあしかし「ぼのぼの」のいがらしみきおしか知らなかった人は腰を抜かしたことだろうなあ、と思います。 私のことなんですけれども。 まさかのこの人がホラーを?って、誰もが思ったんじ...

海獣の子供

2006年初出 五十嵐大介小学館ikkiコミックス 全5巻 作者らしい内容だ、と感じつつも、どこかこれまで以上のことをしようとして空回りしているような印象も。 とりあえずスケールはとんでもなく大きいです。 あらゆる生命にまつわる海と地球の物...

リトル・フォレスト

2004年初版 五十嵐大介講談社アフタヌーンKC 全2巻 田舎暮らしをテーマにした料理漫画、ってところでしょうか。 まるでおもしろくないわけじゃないんですが、とりたてて興味深いなにかがあるわけでもないです。 一言で言うなら他愛ない。 田園風...

カボチャの冒険

2007年初版 五十嵐大介竹書房バンブーコミックス 猫マンガ好きのための市場においては見事ストライクかと思われる内容ですが、作者の資質を鑑みるに余技的エッセイマンガ、と言っていいのでは、と。 ただ、猫を過剰に愛玩動物視、しいては都合よく擬人...

魔女

2004年初版 五十嵐大介小学館IKKIコミックス 全2巻 今のところ五十嵐大介の作品の中で個人的に一番唸らされたシリーズ。 ただ世間の論調とは違う部分で私は評価していたりします。 自然に対する敬愛と畏怖が作品の根底にはあり、その手の描写で...

少女奇談まこら

2006年初出 平野俊貴、植竹須美男/阿部洋一メディアワークス電撃Jコミックス 全4巻 かつてリイド社から刊行され、あっというまに廃刊になった少年ファングに掲載されていた作品。 2010年に発刊された電撃コミックジャパンに続編の連載が始まっ...

バニラスパイダー

2009年初出 阿部洋一講談社マガジンKC 全3巻 オープニング早々、物語の舞台となる町の上空に広大なくもの巣が張られたシーンが出てくるんですが、それを目にしただけでもうあたしゃノックアウト。 作品の世界観を構築するのにあれやこれやと手練手...

世界の合言葉は水

2008~09年初出 安堂維子里徳間書店リュウコミックス おそらく本書が作者のデビュー短編集。 当時、あちこちで話題になりましたが、後追いで読んでみて、それほど想像してた内容と大きく食い違うことがなく、ああ、この系統か、といった感じ。 少し...

ポルタス

2006年初版 阿部潤小学館ヤングサンデーコミックス いかにも0年代初頭のジャパニーズホラーブームに触発されました、とでも言いたげなホラー。 小道具からシナリオ構成、舞台設定に至るまでリングかはたまた呪怨かそれとも着信アリか、ってな有様で手...

リンドバーグ

2009年初出 アントンシク小学館少年サンデーコミックス 1~3巻(全8巻) 空を飛ぶことが禁じられた高地の王国で、空にあこがれる少年ニットの冒険を描いた異世界ファンタジー。 いかにも悪役な王様にバカ王子、迫害される主人公、優しい幼なじみと...

ガゴゼ

2006年初出 アントンシク幻冬社バーズコミックス 全5巻 舞台は室町時代、時の将軍足利義満の命で、陰陽士土御門有盛の手によりその強大な能力を奪われ子供の姿にされた伝説の大鬼ガゴゼの転落と再生を描いた一大妖怪絵巻。 ページを開いて読み進めて...

嵐ノ花 叢ノ歌

2008年初出 東冬徳間書店リュウコミックス 1巻(全8巻) 第二次世界大戦前夜のアジア大陸を舞台に日本軍嵐山機関、炎帝の子孫にあたる血族、そして紅軍と三者いりみだれてロボット風の超兵器や人外の魔物なども登場する歴史改変伝奇シュミレーション...

ブレーメンⅡ

2000年初版 川原泉白泉社ジェッツコミックス 全5巻 さしずめブレーメンの音楽隊、宇宙へ行く、ってなところでしょうか。 少子化が進んだ結果、危険な宇宙船の乗組員を、知能を人工的に向上させた動物に任せるよりほかなくなった、と言う設定はあまり...

海街diary

2007年初出 吉田秋生小学館フラワーコミックス 1~2巻(全9巻) ああ、私の知ってる吉田秋生が帰ってきた、と思いましたね。 BANANA FISHで作者とはお別れをして、幾星霜。 もうほんとにね、YASHA-夜叉-とかどうでもよかったん...

うつうつひでお日記

2006年初版 吾妻ひでお角川書店 失踪日記に着手する以前から、描き終えるぐらいまでの間の日常を綴ったエッセイ漫画。 失踪日記的な波乱万丈のエンターティメントを期待してはいけません。 どっちかというと覚え書きに近い。 どんな本を読んだとか、...

地を這う魚

2009年初版 吾妻ひでお角川書店 作者の若かりし頃を描いた自伝風エッセイ漫画。 失踪日記以降の作品らしい、精緻な作画が映える高品質な一品、と言っていいでしょうね。 とりあえず背景の書き込みは尋常ではないです。 漫画表現でしかあり得ぬ奇異な...

失踪日記

2005年初版 吾妻ひでおイーストプレス 吾妻ひでおの熱心なファンではないので断言は出来ないんですが、やはりこりゃ「化けた」作品だと思うんですね。 自伝というかエッセイみたいなものが創作を凌駕して圧倒的におもしろい、というのはよくあるケース...

JUNK-RECORD OF THE LAST HERO-

2004年初出 麻宮騎亜秋田書店チャンピオンコミックスRED 全7巻 私にとってはいまひとつ食い合わせの悪い漫画家だった麻宮騎亜の作品の中で唯一、これはちょっとおもしろいかも、と思ったのが本作。 仮面ライダー以降連綿と続く変身ヒーローものな...

テガミバチ

2006年初出 浅田弘幸集英社ジャンプコミックス 1~6巻(全20巻) いやあこの作品にはちょっと驚かされました。 まさかジャンプスクエアでここまでド級の異世界ファンタジーが連載されていようとは。 ありがちな世界観、といっちゃあそれまでなん...

るくるく

2003年初出 あさりよしとお講談社アフタヌーンKC 全10巻 ろくでなしの父親を亡くし、天涯孤独の身となった主人公の中学生、六文の元に、なぜか悪魔がやってきて奇妙な同居生活が始まる、というストーリーのSFコメディ。 やってることは藤子F先...