CAMEL

CAMEL

プログレというジャンルのオリジネイターたる5大バンド(クリムゾン、イエス、フロイド、EL&P、ジェネシス)にも比肩する歴史あるバンドとして、評価の高いグループですが、実は私、まるでぴんと来てなかったりします。

mirage(1974)やsnow goose(1975)、moonmadness(1976)あたりのアルバムが人気も高く、バンドの地位を不動のものにした印象がありますが、これがねー、なぜだか3枚ともまるで私の琴線にふれなかったりするんですよね。

ファンタジックでどこか陰りを帯びた楽曲といい、派手すぎないシンフォニックなアプローチといい、好きな音であることは間違いないのに、なぜか気分が高揚しない。

これを煮え切らない、と言ってしまうのは誤謬だと思うんですが、なにか足りてない、なにかパンチに欠ける・・・と何度聞いても音が耳からこぼれ落ちていってしまうんですよね。

なんでしょう、優等生すぎるとでもいいますか。

プログレの優等生って、なんなんだよ!って、話であったりはするんですけどね。

結局好みに合わない、ってことなのかなあ・・・と放置したままあっという間に数年が過ぎ。

そんな私を再びこのバンドに注目させたのがこのアルバム。

偶然からプロレスラーの前田日明が入場テーマ曲に使ってるのがCAMELの曲だと知りまして。

マジか?!と。

テレビでよく耳にしてたけど、全然CAMELらしくないじゃねえかよ!と仰天。

で、あわててテーマ曲Capturedが収録されてるアルバムを聞いてみたんですが、これがもうびっくりするぐらいモダンになってて。

初期のファンからすれば色々言いたいこととかあるんでしょうけど、私はこのアルバムを聞いてCAMELのイメージががらりと変わったんですよね。

これは放置できないかもしれない、と思い、続けて聞いたのが、少し年代が飛ぶんですが96年発表のharbour of tears。

冒頭1曲目、アンディラティマーのギターが切り込んできた瞬間に鳥肌全開。

なんと美しいアルバムであることか。

もう、スピーカーの前で正座ですよ。

胸に迫るシーンの釣瓶撃ちに涙腺は崩壊寸前。

幾分ケルト色の強いアルバムなんですけどね、ギターのフレーズの素晴らしさ、主旋律の繊細さには何度もため息が漏れましたね。

どちらかというとロック色は希薄ですが、とぎれることなくたゆたうように連続してゆくアルバムの流れは、ロックのカタルシスを安々と飛び越えていく饒舌さでして。

いったいこれまで私はCAMELの何を聞いてきてたんだ?と己の感度の鈍さを殴りつけてやりたくなりました。

91年に発表されたdust and dreamsも負けず劣らずの名盤。

80年代ぐらいからバンドとしての実態がなくなり、ほぼアンディ・ラティマーのプロジェクトと化したCAMELですが、誤解を恐れずに言うなら、アンディが完全に主導権を握ってからのほうが「音が希求するもの」の精度があがってきたような気がしてます。

ともあれ、このこぼれ落ちんばかりの叙情性はスルーするにはもったいなさすぎる。

私みたいに初期のCAMELにぴんときてない人には是非90年代以降を、とおすすめする次第です。

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