2018年初出 倉薗紀彦
講談社モーニングKC 1~2巻(以降続刊)
借り物だらけというか、二番煎じ、三番煎じな印象が強いというか。
さえない少年がAUTOMATONと呼称される人形戦闘兵器のパイロットになる、という展開も、人類を凌駕する知能を持つAIを神と信じる秘密結社と命をかけて戦うことになる筋運びも、敵の親玉はどうやら少年の父っぽい、という設定も、なにもかもがどこで読んだような、見たような。
シンギュラリティを題材にしてるのは面白い、と思ったんです。
おお、ハードSFのようじゃないか、と。
けれどそれ以外がよろしくない。
なんでアメコミっぽくなっちゃうのかな、と思うんですよね。
AUTOMATONのデザインなんかマーベルの二次使用みたいになっちゃってますし。
アメコミが駄目だとは言いませんが、MCUが世界を席巻してフェイズ3も終りを迎えた昨今、今更漫画で似たようなことをやってどうするんだ、と。
辛辣な言い方になりますが「おこぼれをあずかろうとしてるの?」とマーベルの熱心なファンなら言いますよ、これ。
ファン気質が高じて、「自分ならこうするのに」と思ったことをアメコミに全部ぶちこんだらこうなった、ということなのかもしれないですけどね、もう少し素材にこだわってほしかった、と思いますね。
ただでさえ既視感の強い語り口及びストーリーライティングなのに、そこに流行り物をブレンドしてどうする、と。
うーん、評価できないですね。
画力は高いと思うんで、色々もったいない。
余談ですがAUTOMATONって、オートマタと同義語で、機械人形のことらしいです。
えっ、鉄人28号なのか?(古い・・)