地獄の花園

2021 日本
監督 関和亮
脚本 バカリズム

バカバカしい映画とバカみたいな映画は、似てるようで実は違うのであって。

私にとってこの映画は間違いなく後者ですね。

で、バカバカしい映画ってのは笑えるんだけど、バカみたいな映画ってのは笑えないしただひたすら脱力なだけ、なんですよ。

もし、企業に務めるOLたちが、偏差値の低い底辺校みたいにヤンキーで占められていたら・・・を描いたシチュエーションコメディなわけですが、まあ、やってることは往年の不良漫画と同じで、それが男でないだけ。

なんで男がグレてないのかはさっぱりわからんのですが、仕事そっちのけでOLたちが腕っぷしを競って覇権争いをしてる段階で私はもう、強烈に冷めた。

コントのネタじゃねえかよ、って。

こんなのほとんど出オチといっていいし、頑張ったところでせいぜい15分のショートフィルムにしかならねえぞ、と思ってたらそのまま102分もこの世界観を押しとおすんだから、呆れるというか、頭が悪いというか。

ひょっとして、とんでもないどんでん返しが最後には待ち受けてるのか?と思った私が愚かでございました。

バカリズムの舞台やトークは好きなんですけどね、こと映画に関しては申し訳ないけど舐めすぎだと思いましたね。

この企画を通した連中も連中ですけど、誰が食いつくんだ、この映画に?と。

どうなんだろ、古くはろくでなしBLUESとか、最近じゃあクローズあたりを熱心に読んでた読者層をターゲットにしてるんだろうか。

私はヤンキー漫画が面白いと思ったことってほぼ皆無なんで、そもそもの適性がないのかもしれませんが、それにしたってワンアイディアで工夫がなさすぎ。

ほんとこういうのはコント番組か、劇場でやってほしいとつくづく思う。

中盤で遠藤憲一や勝村政信が女性役で出てくるのもさっぱり意味がわからんしなあ。

それやるんだったらすべてのOLキャストを男性にやらせるぐらいの冒険しろよ、って思いますし。

多分、バカリズム本人はめちゃくちゃ楽しんでるんだろうし、わかるでしょ、このくだらなさ、って身近な人達と爆笑してると思うんですけど、視聴者側との温度差は本人が考えてる以上に大きいと思いますね。

なんだか色々と無駄遣いだと思った。

オリジナル脚本の日本映画を見るのは久しぶりだなあ、とワクワクしてのぞんだらこれだよ。

ま、この女優さんがこんな役を?!みたいなキャスティングの妙を楽しめる人なら、それなりに面白く見れるのかもしれませんが、私はもう終盤早送りでいいかな、と思った一作でございました。

残念。

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