クワイエット・プレイス 破られた沈黙

アメリカ 2021
監督、脚本 ジョン・クラシンスキー

スマッシュヒットを記録したクワイエット・プレイス(2018)の続編、第二弾。

シリーズは三作目をもって完結する、とアナウンスされてますが、うーん、あの終わり方でどうやってあと2作もたせるつもりなんだろうなあ、ウォーキング・デッドみたいなサバイバルものにするしかないのでは?と私は邪推してたんですけど、思ってた以上に邪推じゃなくてどうなんだこれ、と。

はっきり言って、既視感強いです。

この手の終末世界を生き抜く小集団のお話って、古今東西有象無象に溢れかえってると思うんですよね。

ましてや前作で、侵略者の弱点が暴かれちゃってるわけだから。

どうしたって緊迫感やスリルは軽減されてくる。

むしろ登場人物たちの不用意さ、浅はかさが逆に目についたり。

わかっていながらそんな無策無謀を犯すのか、お前は、みたいな。

完結編である三作目への橋渡し的な内容に終始したのも疑問。

エンディングなんて完全に「続きを乞うご期待!」ってな調子で、物語の途中なのにも関わらず、ぶった切られちゃってるんですよ。

ええっ!ここで終わり?!と、あたしゃエンドロール見ながら唖然とした。

商売上手というか、丸投げというか。

かつてマトリクス三部作の二作目、リローデッド(2003)が似たようなことやらかしましたけどね、私はこれ反則だと思うんですよね。

テレビドラマじゃないんだから。

二作目で愛想を尽かしてしまう人を囲い込むため(三作目までひっぱるため)の予防策なんでしょうけど、こんなことやられちゃあ本作のみでの正しい評価ができなくなっちゃうわけですよ。

だって、ストーリーそのものが経過でしかないし。

良いも悪いもクソもない。

ま、予算が前作より潤沢になった分、絵的な派手さは増してました。

怪獣映画見てるような楽しさ(小さい怪獣だけど)がなくはなかった。

赤子を連れた母親と、まだ中学生ぐらいの子供二人の道行き、という筋立ても、目眩がしてくるほどリスクだらけでハラハラしなかったわけじゃない。

聾唖の少女、リーガンに焦点を当て、その行動を追うシナリオ構成にしたのも、冒険映画っぽい雰囲気を醸していて悪くはなかった。

結局は、だから一旦着地させてくれよ、って話であってね。

結論を結べない映画、その一言ですね。

最終的な評価は三作目を見た後でしか書けませんね、これ。

余談ですがリーガン役のミリセット・シモンズ、いつのまにかすっかり成長しててちょっと驚いた。

惜しむらくは大人になればなるほど容姿がカート・ラッセルに似てきたことなんですけど、そう思ってるのは私だけ?

まさかカート・ラッセルが親父じゃあるまいな。

とりあえず、座して三作目を待ちますか。

三作目は私の大好きな監督、ジェフ・ニコルズがメガホン握るらしいんで、悪いがハードルあげるからな!と思ってたんですけど、つい最近、降板した、と報じられててがっくり。

どうなるんでしょうねえ。

どちらにせよ、多分見ると思うんで、この文章の顛末はその時までごきげんよう。

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