クロマティ・ハラショー

1987年初出 小池一夫/篠田アキヒロ
スタジオシップ劇画キングシリーズ 全4巻

河原のゴルフ地蔵に手を合わせた者に、無償でゴルフ指導をしてくれる謎の博士とロボットを描いたうんちく漫画。

ほとんど学習漫画、と言ってもいいかもしれませんね。

ほぼ物語不在な上、各話で語られるのは9割がゴルフ上達のための含蓄、効果的な練習方法についてですし。

博士とロボットはどうやらソビエトの連中っぽいんですけど、なぜソビエト人が河原の地下に秘密の近代的な練習場を所有していて、アマチュアゴルファーを助けるのか、何もかも謎なまま章ごとに主人公を変えてストーリーは進行。

多分、設定とかどうでも良かったんだと思います。

まずゴルフ技術論?ありきで、そのために都合の良いプロットを適当にひねりだした、ってところでしょう。

印象的なデザインの骸骨風ロボットが主人公を手助けしていくんですけど、見目とかその性能、性格ににぎやかし以上の意味はありません。

無遠慮なレッスンプロさながらにあれこれ口うるさく指導していくだけ。

読みやすく、わかりやすい漫画版のゴルフ指南書を描いてくれ、との依頼があったのかもしれませんね。

しかし小池一夫クラスの劇画の大家にこんなことやられちゃあ、この手の学習漫画で食ってる漫画家からしたらたまったもんじゃないでしょうね。

あんた、こんなことやらなくても一線で活躍できてるでしょうが!みたいな。

ま、この作品がのちの「新上がってなンボ!!太一よ泣くな」(1987~)につながっていったのかもしれないですけど。

どちらにせよ私はゴルフに興味もなければ、学習漫画になにか期待するものがあるわけでもないんで、なんの興味も持てないというのが本音。

小池一夫の膨大な著作リストにおいては異色作、と言えるかもしれませんが。

ちなみにクロマティとはロボットの名前のこと。

野球選手のクロマティとは無関係だと思うんですけど、うーん、わからんな、正直なところ。

タイトルとURLをコピーしました