ウィッチクラフトワークス

2010年初出 水薙竜
講談社goodアフタヌーン 1~2巻(以降続刊)

姫と呼ばれる男子高校生の身柄を取り押さえるために、魔法を駆使して戦う「塔の魔女」と「工房の魔女」を描いた学園ファンタジー。

私が読んだのは2巻までですが、いったいなにがどうなってるのか正直よくわかりません。

主人公高校生になにやら秘密がありそうなんですけど、だからといってなぜ魔女の集団が命がけで主人公争奪戦を繰り広げてるのか不明ですし、しいては魔法とはなんのか?現代に生きる魔女とはどういう存在なのか?そもそもこの物語は日本の高校が舞台で正しいのか?すべてが五里霧中。

続きを読めばきっと明かされていくんでしょうけど、2巻分のお話が経過した時点でこうも核心部分に全く触れてない作品もなかなか珍しいと思いますね。

現状、私が理解したのは、工房の魔女である火々里綾火と主人公多華宮仄のラブコメ風バトルものであること、及び、体格で主人公に勝る綾火が天然で草食っぽい主人公を庇護する逆転のロマンスっぽい内容でもあること。

古い話で恐縮ですが、三浦みつるのTheかぼちゃワイン(1981~)などという漫画を思い出したり。

能力値の高い高身長の女性と冴えない男子のカップルという設定で昔と違うのは、男子がさっぱり男らしくない点でしょうね。

かぼちゃワインの主人公、青葉春助は身長が低いことをコンプレックスに感じていて、やたら喧嘩っ早い性格だったりしたものですが、本作においては主人公の多華宮、綾火にお姫様だっこされたりしちゃってますから。

多華宮、なけなしの義勇心を持ち合わせてはいるんですけどね、基本、あんまり役に立ってない。

というか、かなりの比率で足手まとい。

いやいやいやこれって、限りなくヒモに近くね?と私は思ったりもするんですけど(2巻終盤では綾火の住む豪邸で同棲生活?が始まりそうになってますし)人気がある、ってことはなにかしら今の若い男性読者の深層心理をくすぐってる、ってことなんでしょう。

アニメ化されたほどですしね。

時代も変わったものだなあ。

ジェンダーにとらわれない、と言う意味では現代的かもしれませんけどね。

とりあえず私がひっかかったのは、現実からの飛躍が過ぎる点。

これがホグワーツの魔法学校での出来事ならすんなり物語にも入り込めたんでしょうけど、なんの前置きも舞台設定も状況説明もないままいきなり魔法の業火で丸焼きにされてもですね、なにかの二次創作なのか?それともゲームの漫画化?としか思えないわけで。

あまりに語り口が断片的というか、シチュエーションだけで乗り切ろうとしてるというか。

ま、最近の少年漫画はほとんどがこんな感じのバトルファンタジーではありますけどね。

巨乳の才媛とダメ男(決まったわけではないですが)のデコボコなラブコメという側面のみで推し量るなら新鮮味はあったかもしれません。

あとはお好きな方たちでどうぞ。

私はもうちょっとリアリズムに重きをおいていてくれたほうが好みですかね。

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