ENGLAND

傑作中の傑作と名高い1枚。

バンドはgarden shed(1977)1枚のみを発表して解散してしまうんですが、さすがのポンプロック嫌いな私もこのアルバムだけは例外と言わざるを得ないですね。

やってることはピーター・ガブリエル在籍時のジェネシスとそう大きくは変わらない、と思うんです。

このバンドがすごかったのは、オリジネイターですらたどり着けなかったポンプロックの地平に、たった1枚で安々と到達してしまったこと。

解釈は様々かと思うんですが、私はポンプロック最大の難点って、1にも2にも「煮えきらなさ」だと思うんですよね。

もちろん「十分煮えてる!」とおっしゃる方もたくさんおられるでしょうし、だからこそいいんだ、という方も決して少なくはないでしょう。

けれど、たどり着きそうでたどり着かない寸止め感を常に嗅ぎ取ってしまう私のような人間からしたら、焦らすだけ焦らしてやらずボッタクリかよ!(下品ですまぬ)って、どうしても思ってしまう。

ENGLANDも傾向は同系統のバンドと同じなんですが、焦らし方に構築性を持ち込んできた点、相変わらず到達点は不明瞭なんだけど、構成するパーツそのものを恐ろしく磨き込んできた点が大きな差異となって表れている、と言っていいでしょう。

言うなれば沸点に達していないのに、それをあたかも沸点であるかのように勘違いさせてしまうというか。

計算された連続性が、小さな波を大きな潮流に変えてしまうんです。

おそらくそれこそが、多くのポンプロック勢が目指す「見果てぬ場所」だったのでは、と私は類推するんですね。

1977年という、プログレバンドのデビューアルバムにしては後発だったことも幸いしたのかもしれません(多くの先行者の轍を踏みしだくことができたという意味で)。

しかしながら90年代のマリリオン等、後続のバンドが誰一人としてこの境地に達していないことを鑑みるに、やはりこれは突出した才能であり、センスなんだろうなあ、と思います。

大げさな物言いになってるかもしれませんが、この手のジャンルの最良の1枚であり、最高傑作でしょうね。

ポンプロックの完成形、それがgarden shed。

ちなみに未発表曲を集めたLast of the Jubbliesは、完全にコレクターズアイテムでそれなりな内容ですんでご注意を。

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