EGG

後にハットフィールド&ザ・ノースに参加するキーボード奏者、ディヴ・スチュアートが在籍したトリオバンド。

ギターレスの編成なので、EL&Pみたいな感じなのかな?と先入観をいだきそうになりますが、全く別物とまではいかないにせよ、こりゃなんとも独特なキーボードロックだな、と。

私が聴いたのは2ndであるThe Polite Force(1970)なんですけど、最初は「なんて盛り上がらない音なんだ」と思ったんですね。

地味というと語弊がありますが、抑揚がないというか没感情気味というか。

鍵盤中心のトリオというと、大抵はクラシックにかぶれてたりしますから、その手の音を想像していたせいもあったんでしょうけど、このバンドは私には合わないかも、と思ったのが第一印象。

ところがだ。

繰り返し聴くうちに、これはひょっとしてすごいことをやっているのでは、とふいに気づく。

強烈なのは4曲目の組曲で、ベースとキーボードの拍子が完全に別物なんですよね。

もう、頭の中で拍数数えながらじゃないと絶対に合わない変拍子まみれのアンサンブル。

よくぞ、この譜割りにドラムは合わせることができたな、とほとほと感心。

さらには、そこへすべてを破壊するかのような前衛的アプローチをこともなげに織り込んでくる、ときた。

なんの実験音楽なんだ、と。

でも成立しちゃってるんですよね。

そうなってくると不思議なもので、なんとなく聞き流してた1曲目が、超名曲に聴こえてきて。

この段階でようやく私は、あ、これカンタベリー系だ、と思い至る。

遅いわ。

だってまさかギターレスでこういうことをやってる連中がいるとは思わなかったものだからさ。

ハットフィールド&ザ・ノースにも肉薄する名盤だと思いますね。

決して得意な音ではないんですけど、たった3人でこれだけの表現ができてしまうという凄まじさ、この音楽性でそこはかとなくキャッチーだ(いや、ほんとに)というのに打ちのめされました。

ちなみに後追いで聴いた1stもさらにクールな仕上がりながら、挑戦的な秀作。

こういうバンドが居るから、苦手なのにカンタベリー系聴いちゃうんだよなあ。

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